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カウントダウン・ジャパン06/07、いよいよ初日のスタートだ。渋谷陽一による恒例のEARTHステージの朝礼は過去最長を記録、しかしその間にも広大なフロアを埋め尽くした観客の体内温度が来るべき祝祭のオープニングに備えて急上昇しているのがわかる。そして、「君ら以上にこのフェスを愛してくれているバンドかもしれない。マスター・オブ・カウントダウン・ジャパン、くるり!」という渋谷の叫びと共に登場したのが本日のトップバッター、くるり! デビュー10周年を記念するベスト盤をリリースした2006年、そのアニバーサリーを象徴するように、くるりの楽曲のクリアでポップな輪郭を前面に押し出したバンドの集大成的な、てらいのないパワーが全開のライヴを見せつけてくれた。セミアコのメロウな旋律が心に染み入る“Bus To Finsbury”“Baby I Love You”、そして“ワンダーフォーゲル”“ロックンロール”“東京”といった文句なしのアンセムをも折り混ぜつつ、全10曲を悠々と駆け抜ける様には余裕と貫禄が漲っている。くるりの歌の元でフェス特有のバンドと観客のユニティが、今日初めてゆるやかに築かれていく。あまりにも贅沢で幸福な、カウントダウン・ジャパン06/07の幕開けだった。(粉川しの)