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「ど~んと行こうぜ、エヴリバディ!」と一体何度、宮本浩次は言ったのだろう。ステージを左右に練り歩きながら、オーディエンス一人一人を指さしながら歌う彼の姿に、AURORA STAGEびっしりと集まったオーディエンスが一体どれだけ強く胸を掴まれただろう。今年のCOUNTDOWN JAPAN -WEST-、AURORA STAGEのトリを務めたエレファントカシマシのライヴは、長い歴史を持つこのバンドのキャリアの中でも、一つのハイライトとも言えるほどの爆発的な感動に満ちたステージとなった。

“笑顔の未来へ”や“桜の花、舞い上がる道を”、“新しい季節へキミと”といった2008年に生まれたエレカシの新しい名曲群と、“悲しみの果て”や“今宵の月のように”などのエレカシ永遠の名曲群を組み合わせた豪華なセットリストに、1曲が終わるごとに「ウォ~!!」と大きな歓声と拍手が贈られる。初めて年越しアクトという大役を担う宮本も、いつにも増して気分が良さそうだ。ドラムセットによじ登って歌ったり、演奏中のギター・石君に散々絡んだり、とにかく楽しそうに歌っている。いつものように演奏の前に曲の背景を説明してくれるのだけど、今日は少しとっ散らかり気味。そんな宮本の姿を、オーディエンスも温かく見守っていた。

名曲の乱れ撃ちでAURORA STAGEが熱狂する内に、気が付けば年越しまであまり時間がない。それを知って、「いや~、緊張しますね」とそわそわし始める宮本。アコギを軽く弾いて間を繋ごうとしてみたり、突然「エイエイ・オー!」とコール&レスポンスしたり、どうも落ち着かない。ステージ横のモニターは残り数十秒をカウントしている。そんな年越し直前の状況で、宮本はのんきに「あなたは今年、どんな年でしたか?」と石君にマイクを向ける。そうしている間に残り10秒を切り、見かねたオーディエンスが先に秒読みをはじめ、バンドと一緒にゼロまでカウント。そんなドタバタのカウントダウンで、AURORA STAGEに2009年が訪れたのだった。

2009年一発目は“ガストロンジャー”。最後には白シャツの脇が破れてしまうほどの大暴れを見せていた宮本は、「最高の一年にしようぜ、エヴリバディ! どうもありがとう!」と明るい笑顔をオーディエンスに向けて、ステージを去った。アンコールには、“絆”というタイトルの新曲を披露。間違いなくエレカシ史上屈指のバラードだ。この曲の熱い感動の余韻を胸に感じながら、COUNTDOWN JAPAN -WEST-のAURORA STAGEは幕を閉じた。宮本の最後のMCは「今年はもっとドーンと行けよ、エヴリバディ!」。彼の屈託のない笑顔を見ていると、本当に今年が素晴らしい 1年になりそうな予感がした。エレファントカシマシ、2009年の最高のスタートをありがとう!