


ライヴ後半へ突入すると、“パワー・イン・ザ・ワールド”“so many people”と赤く燃え上がるアグレッシヴなロック・チューンを連打。そして「ここにいる老若男女とポンニチ人に捧げます」と放たれたのは、“ガストロンジャー”! ジャケットを脱いで白シャツ1枚になった宮本、眼光をギラつかせ何度も胸を叩きながらフロアに浴びせかけていくその言葉は、今年もすさまじい闘志に満ちあふれていた。さらに鳥のさえずりから不穏な音像が浮かび上がる“朝”を経て、“悪魔メフィスト”“生命賛歌”を攻撃性たっぷりに叩きつけて本編フィニッシュ。アンコールでは“笑顔の未来へ”を爽快に鳴らし、4日間にわたって熱いパフォーマンスが繰り広げられてきたEARTH STAGEの幕をしっかりと下ろしてくれた。
この4日間、多くのアーティストがMCで震災に触れた発言をしていた中、宮本はそれらしい言葉をほとんど口にしなかった。クライマックスへ向けてみるみるカオスを極めていく壮絶な展開も、大きな哀しみを経て迎えた今年のCOUNTDOWN JAPANには、一見するとふさわしくないように思えた。しかしエレカシのロックンロールには、敢えて口にせずとも聴く者を奮い立たせる力強いエネルギーがどの曲にも満ちあふれている。その真価に改めて気づくことができたのも、今日のようなライヴ構成だったからこそではなかったかと思う。バンド側にそういう意図があったかどうかは分からないけれど。とにかく最高のステージでEARTH STAGEを締めくくってくれたエレカシ、本当にありがとう!(齋藤美穂)

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