公開前に書いたブログです。
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I Love YouとI Kill Youは、同じこと。
ファンタジーとバイオレンスは、同じこと。
ポップとノイズは、同じこと。
それをここまで説得力のある形で、映像化し、演出できるのは中島哲也監督しかいない。
新たな傑作の誕生だ。
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これに、もうひとつ加えるならば「見たい」と「見たくない」は同じこと。
中島哲也監督は、この物語を自分自身も「見たくない」ことだから映画にして徹底的に「見たい」と思って撮ったのだろう。
「見なければ良かった」「見ないほうがいい」というたくさんの声は、まだ見ていないたくさんの人の本能に「見るべきなのでは」「見たい」という響きをもたらすだろう。
途中で「見たくない」と思って見るのをやめた人は、十分この映画を「見た」と言ってもいいのかもしれない。
愛がなければ、優しくなければこのような映画を撮らないということは、人生のどこかの局面で本当の意味で実感できることなのかもしれない。
「見たい」と「見たくない」は同じことだということを現象化させた『渇き。』は、やはり中島哲也監督の新たな傑作である。(古河)