ゲスの極み乙女。“シアワセ林檎”は、どう考えても名曲

約2年前にアルバム『魅力がすごいよ』をゲスがリリースしたとき、このブログに以下のように書いた。
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震災以降とスマホ/Twitter普及による情報のあり方そのものの急激な変化のなかで、不謹慎でもなく、サムくもなく、それでいて空気にもならない文体を模索し続けていた、この国のポップ・ミュージックに新たな基準を示すような1枚。
どこかマジになり過ぎないところがゲスの魅力かと思っていたが、川谷絵音は、indigo la Endと並行しての高密度な活動のなかで、ソングライターとしてどこまでも真剣に時代を読み解くメロディと音と言葉を探し、そして見せ方、聴かせ方、届かせ方を工夫してきたのだということがこのアルバムを聴くとはっきりとわかる。
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川谷絵音は、ゲスとindigoを変わらぬ高密度さで並行しながら、それを追求し続けている。
12月7日にリリースされるアルバム『達磨林檎』から先行して無料配信された新曲“シアワセ林檎”は、その時代を読み解く果てしない探求の果てに《I love you》と何度も高らかに歌えるようになった記念すべき1曲。
何もかもを経て何もかもに塗れていない純粋な《I love you》と、この《I love you》は違う。
何もかもを経て何もかもに塗れているからこそ、真剣に時代を読み解くメロディと音と言葉になった《I love you》だ。
改めてゲスの極み乙女。は、この国のポップ・ミュージックに新たな基準を示そうとしている。(古河)
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