牧は自分にとって愛着のある、すごく思い入れの深い役でしたし、ずっと自分の中に残り続けているものだと思っていたんです。でも、実際にこうして続編が決まって、再び向き合ってみた時に、スッと牧に入れるかどうかはちょっとわからないかもしれない……って考えるようになって。(中略)でも、久しぶりに春田に扮した圭くんと武蔵に扮した鋼太郎さんを目の前にした時、自然と「ああ、自分は春田や武蔵といる時、こういう表情をしてたな」っていう感覚が呼び起こされたんですよね。役は自分ひとりで作るものじゃないんだなと、改めて気づかされました(林)
僕は春田創一というキャラクターを、天空不動産編とは別でも演じているので、自分の中にはいろんな春田が入っているんです。でもやっぱり、一番モンスターで面白かった春田は牧といた春田だったので、もうあとは現場での出たとこ勝負だと思います(笑)。今の自分が、どこまでそのモンスターで面白い男を全力で演じられるかに尽きますよね。やっぱり、今の自分と遣都くん、今の自分と鋼太郎さんや周りのみんなとで作れるものでしかないんですよ(田中)
『おっさんずラブ』って、他の現場ではできないことができたりする現場なんです。説明が難しいんですけど……瞬間瞬間を楽しむ良さはできあがった作品からも出ていたと思います。そのぶん緊張感もすごくある現場なので、自分の感覚を研ぎ澄まして、鋼太郎さんや圭くんのようなスケールの大きい役者に、どう芝居で立ち向かっていくか。そこを大事に、丁寧にやっていきたいですね(林)
そんな緊張感あるっけ?(田中)
……いやいや、めちゃくちゃありますよ。(中略)僕が自分から何かを投げるというよりも、引き出されてる感覚なんです。なんか……僕にいろいろやってほしそうなんですよ(笑)(林)
(引き出そうとしている自覚は)……あります!(笑)。引き出そうとしているし、やっぱりそこは一緒にやっていきたいという思いがあります。普通にやってしまうことがもったいないスタッフさんと、キャストと、内容が揃っているドラマなんですよね。別に奇を衒ったことをしなきゃいけないわけではないけど、普通にやらなくてもいいよね?という。でも遣都くんは、引き出さなくても自分からやってくるタイプでしたけどね(田中)
私たちの大好きな『おっさんずラブ』の新たな物語を、時に大胆に、時に繊細に(そして時に信じられないほどにふざけながら)チーム一同で作りお届けする!という思いがインタビュー全編通して溢れています、ぜひご覧いただき、最高の気持ちで年明けの放送を一緒に待ちましょう!
撮り下ろしポートレートでは、戦友とも言える田中さんと林さんを切り取りつつ、同時に「5年の時を経て家族となった春田と牧」を思わせる、過剰にラブラブでもなく落ち着きすぎてもいない、お互いを柔らかく想い合う雰囲気を感じてもらえるように撮影に臨みました。それぞれのソロショットも含め、たっぷりお楽しみいただければと思います! CUT1月号はあす12月19日発売です。(田中春香)
CUT1月号は現在以下よりご予約可能です。
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