発売中のCUT9月号で、『TRUMPシリーズ』特集をお送りしています!
劇作家・末満健一さんによるオリジナル演劇作品『TRUMP』(2009年)から始まった『TRUMPシリーズ』。時間軸を前後するいくつもの演劇作品でその世界を広げてきたシリーズが、この夏、アニメ『デリコズ・ナーサリー』、舞台『マリオネットホテル』で新たに展開します。
『マリオネットホテル』でダリ・デリコを演じる染谷俊之さんは、『グランギニョル』『COCOON(月の翳り星ひとつ)』以来3度目のシリーズ出演。『デリコズ・ナーサリー』の森田成一さんのインタビューの様子に続き、ここでは染谷さんのインタビューを一部抜粋してご紹介します。
――染谷さんは、時系列的にはこの『マリオネットホテル』から6年後に『グランギニョル』で凄惨な出来事が起こることを知った状態で、それを知らない時のダリを演じることになるわけですが……そのあたりはどう意識して臨まれるのですか?(演じるダリは)説明するのが難しいんですが……貴族で偉そうで、なんか食えないというか、ちょっといやな奴なのかな?という気がしつつも、愛情深かったり、本人にしかわからない苦悩があったりする。吸血種なんですけど、すごく人間味があるというか。(『マリオネットホテル』で)『グランギニョル』の前日譚を描くことによって、ダリの知らない一面を見ることができました
あ、それは一旦忘れます(笑)。忘れつつ……何気ないひと言が別作品で回収されるのもこのシリーズの良さだと思うんですよね。初めて観る方にも、このシリーズの好きな方にも楽しんでいただけるような作品作りをしていきたい気持ちがあって。一見希望のようなセリフが、先を知ると絶望に変わったりする。それを武器にしたいですよね
壮大で複雑な『TRUMPシリーズ』が描く、決して明るく爽快ではない世界。それでも染谷さんは本作について、「重い作品を重くやっても仕方ない」と、何にも縛られず、自由に語ってくれました。「染谷さんだからこそ」生まれるダリ・デリコがいるのだと確信できる、そんなインタビューになっていると思います。
放送中のアニメ『デリコズ・ナーサリー』と合わせ、舞台『マリオネットホテル』、そして『TRUMPシリーズ』全体の沼に浸かりながら、CUT9月号もぜひお楽しみください。(山下茜)
CUT9月号は現在以下にてご購入可能です。