10月4日に公開される映画『ふれる。』。
同じ島で育ち、ともに上京を果たした幼なじみの青年3人、秋、諒、優太は、不思議な生き物「ふれる」の力で、互いの体に触れるだけで互いの心の声が聴こえる。だが、ある事件をきっかけに3人は互いの声が聴こえなくなって──。東京を舞台に「人と人とのコミュニケーションとは何か」を描き出す本作は、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』『空の青さを知る人よ』を手掛けた「超平和バスターズ」=長井龍雪(監督)×岡田麿里(脚本)×田中将賀(キャラクターデザイン)による最新作です。
これまでも超平和バスターズを追いかけてきた我々CUT編集部、9月19日発売の10月号では、待望の4作目『ふれる。』についてじっくりお話を伺っています。本作に託した想いについて、そしてこの10年を経た今の3人の制作について、関係について。以下、ロングインタビューの一部を抜粋してご紹介します。
(秩父三部作について)30代が若いかどうかはさておき、「若かったな」と思います。若い頃に勢いで作った感じがあるというか、主人公である高校生たちに対して「負けない」と自負するほどのエネルギーをぶつけて作れた。よく偉大な監督が、若い頃にしか作れない作品があるとか、この年代にしか作れない作品があるとか言っているのを聞いて「なんじゃそれ」と思っていましたけど、「案外そういうのあるね」と。そうやって自分の人生と重ねて、「30代の頃、こういう作品作れたよね」と思わせてもらえる作品を残せたんだなということに、改めていろんな人に感謝したい作品だという気がします(田中)
今回は物語の収めどころが本当に難しくて。最初は仲直りして終わる話かと思ったんですよ。でも途中で、これ仲直りする話じゃないんだなって思って。仲直りはもちろんするけど、独立する話なんだなと思ったんですよね。そう気づいてからは最後まで描けたんですけど、そこに思い至るまでは「なんで俺、こんなに思いつかなかったんだろう?」っていうくらい、キャラクターに引っ張られちゃった感じがします(長井)
「3人揃えば最強」って、あのセリフを書いたときに、自分達の事を言ってるように誤解されるかもとか、宣伝に使われちゃったら恥ずかしいなとか思って、消したりしたんです(笑)。だけどこの物語の中で、やっぱり必要なセリフだと思ったので残しました。(中略)20代の終わりから40代になってもずっと一緒にいて、その都度の問題にぶちあたっても「自分だけが苦しいんじゃない」と思える。それがどれだけラッキーなことか、この歳になると思い知らされます。だからこそ、あえて「最強」っていうセリフを恥ずかしがらずに入れてみようという。チームで戦える幸せを噛み締めながら……の『ふれる。』ですよ(笑)(岡田)
葛藤を分かち合いながら10年以上を共に過ごしてきた「最強の3人」の姿をこの目に見るインタビューになっています。全文はぜひ誌面にて、最後まで読んでいただきたいです。CUT10月号は明日19日発売です。お楽しみに!(田畑早貴)
CUT10月号は現在以下にてご予約可能です。