『乱暴と待機』
2010.04.27 22:36
映画が完成したとのことだったので、さっそく観てきました『乱暴と待機』。原作は『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の本谷有希子、監督は『パビリオン山椒魚』などで知られる冨永昌敬監督。
で、これ、期待をはるかに上回る、とんでもなく面白い映画でした!! 奇想天外すぎて語りたいことが山ほどあるんですが、特筆すべきはなんといっても、あの浅野忠信相手に堂々と振り切った演技を見せた美波。現在23歳、同年代の方なら、化粧品のマジョリカマジョルカの看板ガールといえばわかると思います。
そんな彼女が、その美貌を粉々にぶっこわす演技を披露。スウェット上下にメガネにふたつ結びのいで立ち。挙動不審の極みで、ぶりっ子で、どうしようもないダメ女なくせに、元が可愛いからやっぱりエロさも醸し出しちゃってる奈々瀬という役どころを、完全に自分のものにしちゃってます。まさに女の敵。そりゃ小池栄子演じるあずさ(奈々瀬に高校時代に彼氏を寝とられた経験あり)も目のカタキにしていじめまくるわ。
設定もかなりぶっとんではいるんだけど、ただそれだけじゃなく、人間のダメさや浅はかさを暴きつつもそれを優しく肯定してみせる内容。脚本も良くできているので最初から最後まで飽きないし、自分にとっての幸せって何だろう、と妙に考えさせられもする深さもある。本当に心の底から楽しめる映画に仕上がってるのです。
しかも主題歌は相対性理論! これまた、もう、超素敵な楽曲。一発で覚えられるキャッチーさで、帰りはずっと口ずさんでましたよ。
さらに原作の装丁のみならず、映画のビジュアルもエヴァでお馴染みの鶴巻和哉氏が担当! いやーエロいー。
秋公開の『乱暴と待機』、今から要注目です。原作もすんごい面白いですよ。(小島)