庵野秀明監督が実写映画を初めてプロデュースするということで話題になっていた『監督失格』。
そのティザービジュアルが公開された。
この作品は、ドキュメンタリー作家の平野勝之監督がその恋人でもあった女優、林由美香を撮り続けたもの。
実写であり、ドキュメンタリーということで、一見、庵野監督との関連性は見当たらないかもしれないが、映画を観れば、この作品に庵野監督がコミットする必然性を感じたことはよくわかる。
なんというか、人間はどうやってアイデンティティを獲得して、どう保ち、どう守ってくのか、そして、それが揺らぐとどうなり、そこからどう再生することができるのか……要は、人間の、抜き差しならない「本質」の部分だけでできているような作品だから。
その感じとエヴァを安易に重ね合わせることはできないけれど、今、庵野監督がどういうマインドで作品に向き合っているのか、その手触りはおぼろげながらでも感じ取ることはできると思う。
ただ、そんな深読みを差っぴいても、この強烈すぎる「問いかけ」はやはりフィクションにはできないし、正真正銘のドキュメンタリー・フィルムとして、ぜひともたくさんの人に観てほしいと思う一本。
公開は9月3日。ちょっと先だけど、みなさん、ご留意されることをオススメします。(小柳)
(C)「監督失格」製作委員会