「庵野秀明20000字インタビュー」が表紙の明日発売のCUTの編集後記を1日早く載せます。以前、このブログに取り上げた内容に加筆したものです。
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1ヶ月ほど前のニュースだが、2011年の日本の映画興行収入が前年の約2割減になったのを受けて「gooリサーチ」が「映画館での映画館鑑賞」に関するアンケート調査の結果を発表した。詳細なレポートなので興味のある人は、検索してみてほしいのだが、特に気になった結果をピックアップすると以下の通り。
*1年の間に映画館に行く回数が「増えた」人が10.3%、「減った」人が29.9%。
*映画館に行く回数が減った理由の圧倒的1位は「観たい映画がなかったから」で37.7%。2位「映画館まで足を運ぶのが面倒だから」の20.8%を大きく引き離した。
*映画館鑑賞者のうち「邦画のみ観た」が36.0%、「洋画のみ観た」が20.9%。
*映画の通常料金「1800円」が「1500円」に下がっても映画館に行く回数が増える人は19.1%、でも「1000円」に下がるならば55.3%の人が映画館に行く回数が増えると答えた。
*映画の3D視聴が「好きだ」という人が7.0%、「苦手だ」という人が22.3%。3D料金は「妥当だ」という人が1.8%、「高い」という人が28.0%。
もちろん、この結果のすべてが正義ではない。ただ音楽や書籍と同じぐらい、またはそれ以上に映画に対するユーザーの本音は変わってきていて、それと映画を供給する側の意識が乖離している部分もあるのかもしれない。そして一番、映画を供給する側の人が意識するべきなのは「観たい映画がなかった」と答えている人は、裏を返せばきっと「面白い映画があれば観たい」と思っているということだ。
今年のサマーシーズンの映画はかなり充実している。多くの人がきっと「観たい映画」をこの号で紹介している映画の中からも見つけられると思う。それがみなさんのアンテナに正しく引っかかるように誌面を作ったつもりだ。実際に何本の映画をいくら払ってどのような環境で観るかはみなさん次第だが、面白い映画に出会う機会をどうか逃さずに。(古河)