宮藤官九郎『高校中パニック!小激突!!』を観ました

宮藤官九郎『高校中パニック!小激突!!』を観ました

東京渋谷はパルコ劇場で12月29日まで上演中、年明けからは仙台・大阪・愛知を回る、宮藤官九郎作・演出(出演も)のロック・ミュージカル『高校中パニック! 小激突!!』を、観ました。
なんかもう、観終わって叫びだしたくなるくらい、おもしろかったです。

皆川猿時、小路勇介、三宅弘城、宮藤本人といった大人計画勢に加え、佐藤隆太、前髪クネ男(ってこの呼び名、あの放送たった1回のでほんとに定着しちゃいましたね。勝地涼です)、永山絢斗、川島海荷、坂井真紀、綾小路翔、よーかいくん、映像のみの出演で本田博太郎。
という、やたらと豪華なんだけど何を目指してるんだかさっぱりわからないキャスティング。
そして音楽(楽曲提供)は、怒髪天上原子友康、グループ魂小園と富沢タク(遅刻)、坂本慎太郎、向井秀徳、横山剣、それらをまとめる音楽監督は増田トッシュ(アレンジャー。ライムサワーにも参加しているあの人です)。
という、同じく豪華、かつアク強すぎな面々。

という布陣で、一体何を? というのが、観れば「そうか! そういうことか!」ってなります。で、爆笑します。
近未来の渋谷を舞台にした不良たちの抗争劇、ただし全員ちょっとどうかと思うほどバカ。という設定なんだけど、とにかく笑えるし、ばかばかしいし、くだらないし、でも笑えるだけじゃ全然ないし。

こんなもん観たの、初めて。で、こんなことを考えついて、世界観を構築して、それを役者たち演じさせて、お客に提示して、そして大笑いさせるなんてこと、宮藤官九郎にしか無理。
と、つくづく思いました。

あとびっくりしたのは、演劇の舞台はこれが初めて、という人たち。
氣志團團長と永山絢斗は、よくてもまあびっくりしないが、まず川島海荷。とても初めてとは思えない堂々たる芝居っぷり&歌いっぷり&踊りっぷり。ほんとに初だったっけ? 前に何本か出てなかったっけ? と疑いたくなるほどでした。
それから、よーかいくん。元JAPAN-狂撃SPECIAL-のベーシスト、なめんなよーかい(2011年に脱退)で、舞台はもとより演技自体『少年メリケンサック』に出たことがある程度で、言うたら素人に等しいはずなのに、あたりまえに、普通に場になじんでいる。俳優にしか見えない(役が地の自分に近かった、というのもあるんだろうけど)。
ロック・ミュージカルで、誰かが何か歌うたびにバックは生のバンドが演奏するんだけど、ギターは宮藤、ドラムは三宅弘城でいいとして、誰かベース弾けて芝居できる人がいないと……という理由で、彼に白羽の矢が立ったんだと思うが、正直、ここまで芝居できるとは思いませんでした。

今後の公演に関しては、詳しくはこちらを。
http://otonakeikaku.jp/daiparco2013/daiparco2013.html

なお、宮藤官九郎、CUTには今年、計3回インタビューで登場してくれました。
6月号では『中学生円山』、8月号では『あまちゃん』、10月号では『謝罪の王様』(+阿部サダヲ)について語ってくれています。
未読の方、ぜひ。詳しくはこちらを。http://ro69.jp/product/magazine/back/7

(兵庫)
CUT 編集部日記の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする