レッドマーキーの外まで人が溢れている。モーニング・ベンダーズとのコ・ヘッドライナー公演が中止となったため、このステージが日本初お目見えとなったベスト・コースト登場。
舞台上手からボブ、センターに元ヴィヴィアン・ガールズのアリ、そしてベサニーという立ち位置。
YouTubeなどで伝わっていたように、とにかくベサニーがちょいがらっぱちめ。レコードに収められている女子ココロなキュート・ボイスではなく、ときおりコートニー・ラヴが降臨してきたかのような粘着性のボーカルを披露。
しかしながら、というかだからこそというべきか、元曲の持つ、可愛さも強さもまるごと余すことなく表現した女子魂のリアルがかえってクリアに届いてくる。シューゲイザーも、サーフも、ロスの空気を通した渇いたポップネスへと昇華していく。
歌の息継ぎもはらはらするし、リズムも危なっかしいとこあったりなかったりだが、それも含めてよし。最後半にははベサニーからブッチュな投げキッスもありました。(宮嵜広司)