ブルハの思い出 前編

ブルハの思い出 前編

ザ・ブルーハーツ25周年記念ベストアルバム
『オール・タイム・シングルス』の全曲解説企画を当サイトで始めたもんで、
そして毎日3曲ずつ解説を書いているもんで、
ブルハのことを思い出したり、改めて考えたりすることが増えてます。

たとえばですね。
今、トップページにあがっているアーティスト写真あるでしょ。
デビュー当時の4人のショット。
あれ、当時のバンド好きティーンエイジャーとしては、
ありえないものだったのだ。
ありえなさすぎて、衝撃的だった。わが目を疑った、とまで言っていい。
なんで。
かっこ悪くて、です。

ダイエースプレーによるツンツンヘアーが
もっともいけてる時代に、坊主頭のボーカリスト(ヒロト)。
トロージャンとは程遠い、もっさりした、
全然シャープじゃないモヒカン(梶くん)。
どこへ行き着きたいのかわからない髪形、
工事現場のおっさんみたいなブーツの履き方、
胸に大きな星のマーク(河ちゃん)。

当時、広島では月〜金の夕方に放送されていた
「ミュートマジャパン」で、ブルーハーツの映像を観た時は、
まず、そこにびびった。

この頃、パンク・ファッション、バンド・ファッションとして
かっこよかったのは、たとえばラフィン・ノーズみたいな
人たちだったわけです、我々からすると。
あとBOOWYとか。
それから、もちろんRCサクセション。
ザ・ストリート・スライダーズも忘れちゃいけません。
そのヘアスタイルや衣裳やメイクを、宝島なんかの雑誌で、
食い入るようにチェックしたものです。

そんな時代に、この坊主と、ハンパモヒカンと、星印。
なんつうダサさ。
しかも、当時はファッションだけじゃなくて、ルックスも悪く見えた。
唯一の救いはマーシーだったが、それ以外の3人はもう……
「何? このかっこ悪い人たち」だった。
「人前に出ていいの?」だった。
今思うと、梶くんと河ちゃんはまだわかるが(失礼)、
なんでヒロトもかっこ悪いと思ったのか、我ながらよくわからない。
坊主のインパクトが、それほどまでに強かったんだと思う。

実は当時、イギリスでは「オイ・パンク」とか「スキンズ」という
ムーヴメントがあり、そっちでは坊主なんかの短髪が
主流だったんだけど、我々はそんなこと知らなかった。
単に、坊主というのは、学校に無理矢理やらされるものであり、
服従と屈辱の象徴であり、ダサさの極みだった。
だから、よけいびっくりしたんだと思う。

長いなこれ。次回に続く。
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