ブルハの思い出 後編

ブルハの思い出 後編

前回の続き。
ザ・ブルーハーツ、デビュー当時のルックスの衝撃について、です。

もうひとつ大事な要素がある。
というのは、当時は、バンドって、ある意味
見た目がかっこいい奴しか、やっちゃいけないものだったのだ。
いや、実際どうかはわからないけど、少なくとも、
田舎のバンド小僧たちには、そういうものだと思われていた。
だから、少しでもかっこいい見た目になろうと、メタルもパンクも
ロックンロールも、髪を立てたり、メイクしたり、とてもそのままじゃ
街を歩けない衣裳に着替えたりていた。
つまり、そんな時代に、真逆な存在として
現れたわけです、ブルーハーツは。

しかも。そんなかっこ悪いバンドが、これまで自分が知っていた
どのバンドよりもすばらしくてかっこいいなんて。
ということが、何よりもショックだった。

そんな「ロックの見た目の革命」を、ブルーハーツが
起こさなければ、もしかしたらその後の日本のロックの
歴史は、変わっていたかもしれない。
ブルハがあそこでああいうふうに登場しなかったら、
世に出られなかったバンド、いっぱいいたかも。

たまとか(失礼)。
ウルフルズのボーカル以外の人とか(失礼)。
いや、ボーカルの人も、デビュー当時はなかなかに
「ブルハ側」だったな。今でこそ男前だけど。
あと、サニーデイ・サービスのボーカルの人とか(知り合いなのに失礼)。
それから、もちろんサンボマスターとか(「もちろん」が失礼)。


その10年くらい後、ブルハ解散直前の時期に、
ジャパンで、ヒロトとトータス松本に対談してもらったことがあった。
その時、「最初にブルーハーツを知った時に、ヘンな感じがした」
という話を、トータスがした。

「パンクやのに、パンクじゃない、でも、実はこれが一番パンクかも
しれへん、っていう感じで。ルックスも、なんかワザと悪くしてるような」

そしたらヒロトは、「うん、一時期はあったよ」と答えた。


これは僕の思い込みで、事実は違うかもしれないが、
ヒロトとマーシーって、ライダーズの革ジャンを着ることを
解禁にしたのは、ブルーハーツが終わって、ザ・ハイロウズを
始めてからじゃなかったっけ、という気がする。
ライダーズって、ロックンロールのかっこよさの象徴なのです、
僕らくらいの世代にとっては。


って、ルックスのことについてこんなに長々と書いてる時間があったら、
さっさと明日アップ分の3曲分の解説書いとけよ。
と、今、自分で思いました。
公式SNSアカウントをフォローする
フォローする