クジラ夜の街と崎山蒼志の2マンツアーの千秋楽・東京公演を観た。
崎山蒼志はギターにクジラ夜の街から山本薫、ベースとドラムにBase Ball Bearから関根史織と堀之内大介を迎えた、スペシャルなメンバーによるバンド演奏で会場を沸かせた。崎山のギタープレイは当然バンドセッションでも輝いていたが、最後に観客の手拍子にあわせて弾き語りで披露した“ソフト”は、原点に立ち返るような崎山蒼志の熱い体温を感じる、ライブハウスならではの感情が高ぶるパフォーマンスだった。
そして、後半のクジラ夜の街もまた、ライブバンドとしての本領を発揮してフロアを熱狂させた(山本薫が崎山蒼志のライブもあわせると2時間強ずっとギターを弾き続けていたのもすごい)。「麗しいバラードを」と言ってアッパーなダンスロックの新曲“雨の魔女”を披露した瞬間には思わず笑った。ボーカルの宮崎一晴がフロアに降りて観客を煽ったり、クジラ夜の街もこれぞライブハウスと言える最高の夜を創り上げた。
そして、アンコールでは満を持してクジラ夜の街と崎山蒼志が揃って登場。即興の流れで“ソフト”を崎山のギターで宮崎が一節歌ったのは鳥肌ものだった。ラストはツアータイトルにもなっているコラボ曲の“劇情”。いろんなことがある世界をそれぞれに生き抜いて、この日会場に集まったオーディエンスのみんなを労うような、そんな優しい歌だった。(有本早季)
『ROCKIN'ON JAPAN』11月号のご予約はこちら
クジラ夜の街×崎山蒼志の貴重な共演! これぞ「ライブハウス」と言える感情高ぶる両者のパフォーマンスを観て
2024.09.28 14:30