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2023年に結成された10代4人組バンドの1stシングルで、既に話題になっている。もうテレビの情報番組で安住アナと絡んだりしている。死角から殴りかかってきたようだが、あながちそうとも言えない。もっと根深いものがある。テレヴィジョンやトーキング・ヘッズやジョイ・ディヴィジョン、それにINU、JAGATARA、銀杏BOYZやオシリペンペンズやトリプルファイヤー……背後には豊潤な歴史が見える。システムと個の狭間で、エロスとタナトスの狭間で、軋む肉体の音楽の歴史。だが固有名詞に「#」をつけて貼りつけて終わり、なんていけない。彼らは「真実」を知りたがっている。ミュージシャンにインタビューで「今日は真実を話してください」なんて、こちらがうっとりとした目で言おうものなら、「早く帰りたいです。それが今の真実の気持ちです」と返されるかもしれない。真実とは何か。それは思った以上に滑稽でくだらないものなのかもしれない。それは他人に問うてみてもわからない。自分で踊るしかない。(天野史彬)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年10月号より抜粋)
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