「リリースされてずいぶん経っちゃったけど、
すごくよかったので今さらだけど書きます」シリーズです。
アサイラム/THE BACK HORN
VICL-63656 SPEEDSTAR RECORDS/ビクターエンタテインメント
9月15日リリース
1曲目「雷電」が始まった時点で、「あれ?」と感じ、
お経みたいなAメロに、ギターのリフがざくざく入ってきたあたりで、
「おお?」と思い、リズムがどーん! と加わったあたりで、
「うわ、どうしちゃったんだバックホーン」と、びっくりする。
どっからどう聴いても、バックホーン以外の何ものでもないんだけど、
すべてのパートが、全部の音が、えっらいことかっこよくなっている。
歌詞とメロディと山田将司の歌、その三者のクオリティの高さが突出していて、
それらがバンド全体の音をひっぱっている、バックホーンってそういう構造の
バンドだ、と僕は思っていたんだけど、このアルバム、違う。
ギターとベースとドラムがそれに追いついている。
2曲目「ラフレシア」以降もそう。歌詞とメロディのよさに頼っていない。
リフ、ギターの録り音、リズム、ブレイク、コーラスなど、
細部までいちいちかっこいい。
どうしたんだろう。解散の危機でも乗り越えたんだろうか。
こないだ、本人たちと会う機会があったので、一体どうしたのか
きいたんだけど、別に、どうもしないそうです。
危機とか、逆にチャンスとか、そういうのは特になかったそうです。
ただ、これまでで最も、じっくり時間をかけて作ったそうです。
なんか、「次のアルバムはハンパなものを作ってはいかん」という
カンみたいなものが、
自分の中に強くあって、「いいのができるって確信持てるまでリリース時期を決めない」
っていうふうにして、制作に取り組んだ、みたいなことを、ドラムのマツが言っていた。
もうツアー始まってます。昨日は青森、明日は函館、今日は移動日。
東京は11月17日スタジオコーストと、12月1日Zepp Tokyoと、ファイナル:12月6日渋谷クラブクアトロ。
かなり楽しみ。