「OK!!! C'MON CHABO!!!」  その3

「OK!!! C'MON CHABO!!!」  その3

仲井戸“CHABO”麗市リスペクトアルバム
『OK!!! C'MON CHABO!!!』全曲解説、
日をまたいで続きます。
5曲目から。


5.ティーンエイジャー/寺岡呼人

この企画のオーガナイザー、寺岡呼人が選んだのがこの曲。
このアルバム、CDのブックレットに、1曲ずつ、参加アーティストが
コメントを
出しているんだけど、さすがオーガナイザー、こんな言葉を寄せています。

>この曲はチャボさんのすべてが詰まってる曲だと思ってます。
>ロックンロール、夏、少年、月、、、そしてこの曲が
>僕にとっても、ずっとテーマソングになってました。

「チャボさんのすべてが詰まってる曲」。私、この曲を、
そういうものだと思ったこと、正直、ありませんでした。
が、言われてみると、確かにそうだ。
というか、ほかに解釈しようがないくらいだ。
なんでそう思わなかったんだ俺は。

ちょっと悔しいので、勝手にひとつ補足。
こういう、「ティーンエイジャー」とか「クリスマスパーティー」とか、
「ボーイフレンド」とか、「ガールフレンド」とか、
「サーファーガール」とか「ビーチボーイ」とかいうような、ロックンロールや
ポップスにおいて、もう何十年にもわたって、飽き飽きするほど使われてきた
フレーズを使いまくって、「飽き飽き」とは真逆の、新鮮でハッとするような光景を描く。
という意味において、仲井戸麗市という作家の真骨頂である曲、ともいえます。

たとえば、前回のブログで触った「うぐいす」なんかは、
もうあからさまにチャボさんにしか書けない曲だけど、この「ティーンエイジャー」は
逆で、一見誰でも書けそうなんだけど、実は全っ然書けない曲である、ということです。

呼人の歌も、しみじみとすばらしい。
アレンジも素敵。コーラスとかパーカッションとか、
色々音が入っているのに、響きがとてもシンプルで。
で、リズム、タイム感がでっかくて。

あと、キーボードが伊東ミキオミッキー、
そしてアルトサックスは梅津和時! というのも、うれしいポイント。
あの、聴き慣れた音のサックスが、間奏や後奏で響きます。

ひとつ不思議なのは、パーカッション入っているんだけど、
そのミュージシャン・クレジットがないこと。
打ち込みではないと思うんだけど。
ドラム:成田昭彦が叩いているんだろうか?
確か、パーカッションも叩く人なので、そうなのではないか、
と推測します。


6.月夜のハイウェイドライブ/桜井和寿(Mr.Children)

出た。6曲目にして遂に、というかようやく、1985年の
初めてのソロ・アルバム「THE 仲井戸麗市BOOK」収録曲。
しかもこれ、桜井とチャボさんが、ふたりだけで一発録り。
桜井は歌とアコギ、チャボさんはアコギとコーラス。
前に、呼人主催のライブイベント「GOLDEN CIRCLE」で、
ふたりでこの曲をやったらしい。
うしろで響きまくるチャボさんのコーラス。
2本それぞれが今何をやっているか、
クリアに耳に飛び込んでくるギター。
ちょっとこれ、たまりません。

で。
あの、まったくもって今さら言うことではないですが、
桜井和寿って、すごいボーカリストですね。

ということが、しみじみとわかります。
特にこの人の場合、人の歌を歌うと、つまり「作詞作曲」
要素をはぎとられて「ただ歌う人」になると、
それがいっそうクリアに表れる気がする。
って、誰でもそうか、いいボーカリストは。
でも、桜井の場合、聴くと「うわあっ」て声が出るくらい、
それが極端に出るように感じます。
人の曲をカヴァーする、Bank Bandの「沿志奏逢」シリーズを
最初に聴いた時も、GAKU-MCとコラボしたシングル「手を出すな!」を
聴いた時も、同じことを思ったし。

ちなみに、「THE仲井戸麗市BOOK」と、その次の
ソロ・アルバム「絵」を聴いて、もうどっぷりはまりまくった
おかげで、
その後の人生の何%かがおかしなことになってしまったロック少年・ロック青年、
当時、日本各地に続出しました。
私もそのひとりです。

個人的には、「チャボの真骨頂はこっち!」と、
呼人に対抗して、言いたくなる曲でもあります。
いや、「ティーンエイジャー」も、そうなんですが。


7.ホームタウン/さだまさよし(岡本定義 from COIL+山崎まさよし)

実は、このアルバムの中で、この曲だけ、正直、聴きたくなかった。
なので、最初の何回かは、これだけ飛ばして聴いていました。
個人的な思い入れがあまりも強い、ちょっと、好きすぎるくらい好きな曲なのです。
どう思い入れがあってどう好きか、説明し始めたら最後、自分でもひくくらい
うざったいことを延々と書き連ねてしまうこと必至なので、やめておきますが。

とにかくまあ、そんなわけで、自分的には、これ、もう「チャボの曲」ですらないのです。
もはや、「俺の曲」なのです。
大丈夫か俺は。と、自分でも思うが、でもそうなので、しょうがない。

というわけなので。
ほかの誰かがこの曲をカヴァーしていて、よくなかったら、もんのすげえむかつく。
で、よかったら、悔しい。
だから、聴きたくなかったのでした。

でも、しょうがないので、聴きました。

ザブングル加藤1ダース分でもかなわないくらい、大変に、悔しい。
という結果に終わりました。

どういうバージョンになってるか、詳細は書きません。
悔しいので。
ただ、アレンジも、歌も、残念ながら、これだけ思い入れが強い奴が聴いても、
「違う!」ってとこ、ありません。
特に、ドラムをチープなリズムマシンにしたところ、大正解だと思います。
ってことだけ、書いておきます。
悔しい。


まだ次回に続く。


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