この「黒色の理由」というアルバムのタイトルには、すべての色を混ぜると絵の具は黒くなることになぞらえて、「自分たちがやりたいこと、たくさんの音楽を詰め込んだ」という意味が込められている。
そんなアルバムのメッセージのとおり、ロックにポップにダンスミュージックに、そしてアコースティックまでも飛び出した、多彩かつダイナミックなライブだった。
しかし、多彩さを持ちつつも、すべての曲に一貫して感じたことは「雨のパレードらしいな」ということ。
多種多様な音楽のエッセンスを取り入れながらも、バンドの芯は全くぶれないまま、紛れもなく自分たちのものとして表現できている彼らの強みを、目の当たりにしたライブだった。
こうして雨のパレードの音楽の領域がどんどん広がっていくのだろうと、期待させる良いライブだった。(荒木)