追加公演ではLEDによる映像演出も新たに加わり、そのふたつのパートはそれぞれの方向へと更に深化。上下左右あらゆる方向に感情のリミッターを外す楽曲を次々と乗り継いでいきながら、客席にダイブしたかと思えばダンサーを引き連れダンスし、ラジオのようなラフなトークを聞かせたあとで涙をこらえながら内に秘めた心情を吐露し――多面的な魅力を持つ「あのちゃん」のすべての個性が矛盾なく同居していた1時間半だった。リアルもエンタメもロックもポップも混ぜ込んでひとつのステージで届けるのが、anoのライブなのだ。
12月13日には1stアルバム『猫猫吐吐』がリリース、来年2月からはアルバムリリースを記念した東名阪Zeppツアーも開催。本編ラストの“SWEETSIDE SUICIDE”前のMCで、すべてのファンに「ついてきて後悔はさせない」「これからももっと色んな景色を見せたい」と語っていたanoは、ますます大きなアーティストへと成長しながら、きっと私たちみんなを今まで見たことのない素晴らしい景色へと連れて行ってくれるはずだ。(畑雄介)