「俺らの未来は明るいぞ!」――苦難の10年の先にNovelbrightが横浜アリーナで見せてくれた最高の景色

「俺らの未来は明るいぞ!」――苦難の10年の先にNovelbrightが横浜アリーナで見せてくれた最高の景色
アリーナ会場の規模感にふさわしい曲をここまで持っていることに正直驚かされた。王道ロックとラブバラードのヒット曲連発で、通常2時間近いライブでは途中で一息つく時間があるものだが、前の曲の熱も冷めやらぬうちに次の極上ソングが畳み掛ける。可動式の巨大LEDと無数の照明・レーザーの演出も相まって最後まで息つく暇がなかった。

Novelbrightは夢や愛、幸せといったテーマをド直球に歌い上げ、多くの支持を集めてきた。その成功の背後には、彼らのキャッチーなメロディへの探究心と竹中雄大(Vo)の卓越した歌唱力、そして何より逆境を乗り越えたバンドとしてのリアリティがあり、それが普遍性の高い歌詞に説得力を持たせている。
Novelbright結成時から在籍しているオリジナルメンバーは竹中のみで、一時はベースと2人だけになったことも。現体制になって2019年後半、“Walking with you”が大バズりしてこれからという矢先に新型コロナウイルスが蔓延。2020年以降、ライブやフェスは中止になったり、規模の縮小を余儀なくされた。その歩みは決して順風満帆なものではなかったが、それでもめげずに進み続けた先に今日のNovelbrightがあった。彼らにとってはコロナ禍も決して失われた期間ではなく、逆境の中で戦い大きく成長した期間だったと言えるだろう。

2024年春にアルバムをリリースし、4月からは全国ツアーも始まるようで、結成11周年目もまだまだ休む気配はなさそうだ。
(古閑英揮)


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