人々の迷える恋心に優しく寄り添う数々のラブソングを生み出してきたマルシィだが、そんな彼らが届ける数少ない応援ソングには、そんなラブソングと同じように、不安を抱えながらも懸命に頑張る人の気持ちを包み込み、そっと背中を押すような温かさで溢れている。
去年の3月にリリースされた“大丈夫”は、《僅かな一歩の差が/道を分けることがある》と現実を見据えつつ、最後には《降りかかった雨もいつか虹を架ける/大丈夫だよ》と、これまで積み重ねてきた努力を真正面から肯定してくれた。ライブでもシンガロングが巻き起こる象徴的な曲になっている。
そして、今月リリースされた新たな応援歌“エール”は、さらにもう一歩リスナーとの距離を縮めた歌詞が並ぶ。「大丈夫だよ」と、ある意味一方的に呼びかけていたところから、《君》がいるから踏みとどまれたり進むことができるのだという双方向の気持ちのやりとりが描かれることで、《頑張ってみて》という言葉のメッセージをより強くしている。JAPANでアルバム『Candle』のインタビューをした際に、吉田右京(Vo・G)は「伝わってほしいとう気持ちがめちゃめちゃ強いから。絶対に伝えたいから、わかりやすい言葉で」と歌詞について語っていた。この新しい応援ソングからも、まさにその「絶対に伝えたい」という意志が伝わってくる。
《歩めるさ一人ぼっちじゃないよ》──マルシィの応援ソングは、進路や将来に不安や悩みを抱えながら春を待つリスナーの心の拠り所となるに違いない。(有本早季)
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不安や悩みを抱えながら春を待つ心には、マルシィの応援歌を──最新曲“エール”を聴いて
2024.02.27 12:30