「ロクデナシ」が目の前にいた! 初ワンマンにして音と光と演出の総合芸術を見せつけたOneman Live「Vol.0」。そのすべてを束ねる「にんじん」の奇跡の歌声について

「ロクデナシ」が目の前にいた! 初ワンマンにして音と光と演出の総合芸術を見せつけたOneman Live「Vol.0」。そのすべてを束ねる「にんじん」の奇跡の歌声について
ボーカリスト「にんじん」と多種多様なコンポーザーやイラストレーターなどが集う、才能の交差点のような次世代音楽プロジェクト「ロクデナシ」。そのすごさについてはJAPAN誌面やブログなどを通して度々伝えてきたが、ついに「ロクデナシ」としての初ワンマンライブが開催された。再現が難しいボカロサウンドを巧みに生音に換えていくバンドも、紗幕に映し出される映像を通して曲の物語を表現する演出も素晴らしかったが、何よりやっぱり「にんじん」の歌声はすごかった。

正確なピッチによる音源と寸分違わない声で、これまでイヤホンを通して向き合ってきたロクデナシの世界に誘いながら、息つがいや時に昂るボーカルを通して、「今ここ」にいることを鮮明に伝えてくれる。心を洗い流すような優しいピアノの旋律も、タイトなグルーヴによるダンスミュージックも、ソリッドに燃え上がるバンドサウンドも乗りこなしながら、楽曲のイメージを目の前に映し出し、私たちの心に直接語りかけてくれる。その力が最も強かったのは本編最後に披露された“逢瀬のままにあなたのもとへ”。にんじん自身が作詞作曲を手がけただけあって、パーソナルな感情が滲む肉体的な歌声を響かせていてひたすら圧倒された。


今回初披露された“アルビレオ”は、“スピカ”に続きナユタン星人提供による美しくも切ないミドルチューン。リリースは9月4日だが、ライブ中の撮影がOKされていたので、ぜひ「#アルビレオ」で検索して、ロクデナシのライブの一部を体感してほしい。(畑雄介)


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