シャイトープの東名阪自主企画ツアー「“Come Together”Remix」、ファイナルの渋谷CLUB QUATTRO公演。
ライブハウスでのシャイトープを観るのはアルバム『オードブル』ツアーのWWW X公演以来だったのだが、バンドサウンドも声もさらに太くたくましくなっていて、ただただ息を飲んだ。前回のライブがシャイトープの生み出す音の波を心地よくたゆたうようなものだとしたら、昨夜は巨大な壁のような音の塊が体も心も抱きとめてくれるような強さを持っていた。
きっと今のシャイトープはどんな経験も音に換えるタームにあって、全国各地のフェス出演や、メジャーデビューシングル『ヒカリアウ』リリースに伴うファンとの交流、そして今回の自主企画ツアーのゲストバンドのパフォーマンスで得たものが、そっくりそのまま音楽に還元されているのだと思う。
本編最後に披露されたメジャーデビューデビューシングル“ヒカリアウ”。《生きることは素晴らしいって/ひとりぼっちの君に何度だって歌いたい》と歌うこの曲を、ライブハウスの暗がりの中で聴けてよかった。そう思うと同時に、もっともっと大きい会場で、より多くの人の心を照らし出す瞬間も見たいと思った。秋からのツアーでついにKT Zepp Yokohamaというこれまでにないキャパシティでのライブが控えているが、その時にはまた別の形容で彼らのパフォーマンスを言い表さないといけないような気がする。シャイトープの進化は止まらない。一つひとつの公演をしっかり目と耳に焼きつけたい。(畑雄介)
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《生きることは素晴らしいって/ひとりぼっちの君に何度だって歌いたい》──シャイトープの光が、客席の光を反射しながらライブハウスを美しく照らし出した
2024.08.26 12:15