1週目は477万回再生(2024年10月3日時点)を記録している『THE FIRST TAKE』で披露した“最上級にかわいいの!”の音源。音源で改めて聴くと、メンバー一人ひとりの緊張感が声からも伝わってくるし、途中の「君に〜」「振られて」「最上級に」「可愛いの」「これが」「乙女の逆襲だ〜」という演出も一発撮りらしさを強く感じて、この曲のときめきポイントを再確認できた。この演出は、『きみのハートにロックオンTOUR 2024』の「ロックオンフリータイム」(写真、動画撮影が可能な時間)で“最上級にかわいいの!”が歌唱されたときにも再現されていたのだが、メンバーが客席やステージに散らばっている状況で披露されたので、かなりレアなものになっていただろう。映像で観てハートをロックオンされた宣伝部員は、ぜひ音源でも楽しんでほしい。
2週目に配信された“プリンセスヒーロー”は、既存曲の“ひらり ひらひら”や“ラミラミ”のようなデジタルサウンドソングよりもクールで、爽快感がある爆速のBPMがとても癖になる一曲。腹に響くベース音とメロディを支えるシンセがクラブミュージック要素を強めているし、本格的な打ち込みサウンドという面でいうと、超とき宣の楽曲の中では挑戦的なものなっている気がした。
サウンドに合わせた低い音域の歌声も素晴らしい。Aメロ前半と後半の声色の変わり方、Bメロからサビに向けて少しずつ光が差し込んでくるように明るくなっていく声のトーンの上がり方も、特にこの数年で歌唱力が増した超とき宣だから表現できるギミックだ。これは、実際に『ハートにロックオンTOUR 2024』で披露されたパフォーマンスを観たからこそ強く感じるのだが、こんなに早口でキレキレのダンスを踊っているのに、自分のパートを歌うときには瞬間的に表情が変わるメンバーの姿も印象的だった。サビの《プリンセスヒーロー》の「プリン」で使われるファルセットの切り替えも難しいので、カラオケで歌うだけでも大変かもしれない。
そんな、“プリンセスヒーロー”の歌詞は、メンバーがアイドル(ヒーロー)として活動することに対する決意が描かれているのも見逃せない。《夢に向かっている/人たちの期待を背負っている/ような気持ちで今歌っている/君に幸あれと願っている》という箇所など、まさに今の彼女たちが背負っているプレッシャーにも繋がるフレーズだと思った。でも、それは逆に考えれば活動開始から9年、地道に頑張り続けてきた努力家の彼女たちだからこそ、とても説得力があるし、感動させられるものがある。
そして、3週目に配信された最新曲“こんなあたしはいかがですか”は、“最上級にかわいいの!”に続きコレサワの提供楽曲。“最上級にかわいいの!”の続編にあたる楽曲ということで、こちらもコレサワらしさがたっぷりと詰まったリアルな情景を描いた恋愛ソング。新たな恋を掴んだ女の子が彼氏との約束事について語っているのだが、《今回の恋は最高だって 今君に出会えたの/2人の愛が続くようにこれは守って》など、随所に彼女の可愛さが垣間見れるのもときめきポイントだ。“可愛いメモリアル”とはまた違う束縛ソングらしさがあるのも面白い。
サウンドも“最上級にかわいいの!”よりも明るくポップなアイドルソングに仕上がっているし、一度耳にすると離れないメロディもさすがコレサワというべきだろう。
新衣装とかわいい振り付けにも注目したい。動くたびに揺れる胸元の大きなリボンとひらひらと舞うドレスが、今回のちょっぴり「わがままプリンセス」な彼女たちにぴったり!
YouTubeにアップされたダンスムービーやSNSでのメンバーが踊るショート動画などを見て、ぜひ一緒に踊ってみてほしい。覚えやすい振り付けとキャッチーなメロディが、再びバズるのではないかとひしひしと感じている。
12月4日に発売されるアルバム『ときめきルールブック』のリード曲が“こんなあたしはいかがですか”ということで、かわいいだけでもなく、ときめきだけでもなく、かっこよさ、繊細な感情表現も歌でしっかりと表現できるようになった超ときめき♡宣伝部が、このアルバムでどんな表情を見せてくれるのか、今から楽しみで仕方ない。
12月28日に開催されるさいたまスーパーアリーナ公演『行くぜ!超ときめき♡宣伝部 at さいたまスーパーアリーナ 〜超ときめきクリスマス〜』で、その集大成を観れるのではないだろうか。(岩田知大)
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