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    おかえりなさい、宇多田ヒカル

    おかえりなさい、宇多田ヒカル

    しばらく彼女が音楽シーンから離れるわけだから逆だろうと言われると思うが、アンコールラストの「time will tell」を歌い終え、「嵐の女神」が流れる中、花道を名残惜しそうに歩いていった彼女を見送って最初にふと浮かんだ言葉が「おかえりなさい」だった。

    ライヴは、本当に一生の間に何度もは観られないような最高峰の内容だった。
    彼女は、12年間、音楽に自分を捧げてきた。
    そして、その音楽を通して世界と向き合い続けてきた。
    その12年間の全てが、この日の彼女の歌とパフォーマンスの揺るぎない澄んだ強さに表れていた。
    ストリングスにもバンドにも電子音にも舞台装置にも照明にも真剣に人生と他者と向き合ってきた彼女の12年間が血液として流れていて、どこまでも美しく温かいライヴだった。

    私たちは、このライヴに彼女の12年の旅を見た。
    そして、その旅を終えて帰るべき場所に自分を抱きしめに行く彼女を見送ったのだと思う。

    本人の言う通り、いつか彼女は必ず音楽シーンに帰ってくるだろう。
    待ってます。(古河)
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