うわ、会場間違えたっ!?
と思わず焦った。
INORAN@恵比寿リキッド。
日本青年館2デイズからスタートした、ニューアルバム『Teardrop』をひっさげてのツアー4日目。
7時過ぎに場内が暗転、キャンドルが揺らめくステージに、いきなりごっつい黒人ラッパーが登場しフロアを煽りまくる。
やがてメンバーとともに黒いパーカーのフードをかぶったINORAN登場。
「今日は直球しか投げねえから、ガンガン打ってくれよ!」
熱いMCに続いて、新作からのアグレッシヴかつ疾走感のあるナンバーでフロアに火をつける。
「自分を奮い立たせなきゃいけないって思ったら、こんな音になってしまったというか」と本人は語っていたが、『Teadrop』はそんなアルバムだ。
2曲目にフードを取り、3曲目にパーカーを脱いでTシャツになり、と心も身体も剥きだしになっていく。
新作を中心に、過去の代表曲も演奏された。
ブルース、ヘヴィロック、パンク、ラヴ&ピースな空気が流れるフォーキーな楽曲など、本当にいろんな音楽の旅をしてきたんだなあ、というのがわかる。
髪を切ってつんつんに立てたINORANの姿は、ある瞬間は若き日のボブ・ディランのように見えたり、ある瞬間はシド・ヴィシャスに見えたり、曲によってカメレオンみたいにイメージが変化するのが不思議だった。清んだ水のように、楽曲をありのまま自分に映し出しているのだと思う。
ラスト・ナンバー、「宇宙一カッコいいギタリスト!」という呼び込みとともに、
なんとSUGIZO登場!
握手とハグのあと、フロアにピースサインを掲げ曲が始まった。
弾けたINORANの隣で、サングラスをかけ、「S.K.I.N.」の黒ストラトを抱えた渋目のギタリストとしてのSUGIZO、このコントラストはとても新鮮だった。
ボトムの太いヘヴィサウンドに、SUGIZOのギターが入ると、突然、空に舞い上がるような飛翔感が加わった。
ツアーはまだまだ続く。そして、今日ステージで台湾・香港公演が発表された。
INORAN&SUGIZOのインタヴューは、次号JAPANに掲載。(井上)