People In The Boxの新譜『Lovely Taboos』を聴いた

People In The Boxの新譜『Lovely Taboos』を聴いた

3曲入りで、曲名は頭から1.笛吹き男
2.市民
3.子供たち

既にライヴでは披露されているとはいえ、
とにもかくにもPeople In The Boxの新作だ!というのがあまりに嬉しく、
深夜になってからこっそりと、秘密の箱を開ける様な心持ちで再生し始めた。

かつてないやわらかな音のハーモニー、
生活圏から突如現れたようなノイズ、
“旧市街”の先をしめす様な“市民”のラジカリズム、
真っ直ぐに受け取るべきかシニカルに捉えるべきか一度聴いただけでは判断に困る美しい言葉たち、
そしてこの声の使い方は……
とゾクゾクしながらも思索しつつ聴いていた矢先、
その「最後」に待っていたのは、おどろくほどの恐怖心だった。
うそでしょ?
と耳を疑いもう一度再生したが、自分の腹の底がブラックホールになってしまたような感覚は止まず。
この「演出」は、やはり震災後の、そして未だ混乱が続く今だからこその表現なのだとも受け取れる。
私にはとてもショッキングだったが、既に聴いた皆さんはどう思ったのだろうか。


説明が遅れたが、この『Lovely Taboos』はライヴ会場限定で9月中旬から発売されている作品。
先日の残響祭が都内で購入できる初のタイミングだったのでやっと聴けた。
まだ入手できていない人もいると思いますが、
以下の残響ONLINE STORE、残響shopでも予約を受け付けていて10/17から順次発送されるとのこと。

残響shop(http://people.zozo.jp/zankyoshop/)
残響ONLINE STORE(http://zankyo.shop-pro.jp/?pid=34731253

店頭販売をしないこのような展開について、最初は訝しく感じたし、なかなか聴けない人が出てしまう状況には疑問も残る。
ただ、相応の意図があるのだろう。

何より作品として美しく神秘的。
それでいて、People In The Boxの中ではかつてなく日常的な手触りもある。
日常の、脆さと不確かも含めて。
ジャケットもいつものことながら素敵だし、彼らの音楽に少しでも興味がある人はぜひ。
私もまたこれから何度も聴く1枚になるだろう。(福島)
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