パスピエのニューシングル『フィーバー』を聴いた!

パスピエのニューシングル『フィーバー』を聴いた!

すげえいい曲書くし、歌もいいし、アレンジもセンスいいけど、
どこか掴みどころがなくて、それが魅力でもあるけどぐっと入り込めない理由でもあるなあ、
というのが今までのパスピエに対する僕の印象。
ライヴを観たらそうでもなくて、特に曲を作っているキーボードの成田ハネダは
かなり熱いパフォーマンスをしていて意外だったりもしたけど、
一方でヴォーカルの大胡田なつきのふわっとした存在感は
音を聴いての印象に通じるところがあった。どこか現実から浮いている感じというか、
2.5次元くらいのリアルさというか。

その印象ががらっと変わったのはじつは最近で、
渋谷WWWで行われたイベントにSEBASTIAN XやBiSやきのこ帝国と一緒に出たのを観たときだ。
久しぶりに観たパスピエのライヴは、それまでとは比べものにならないほど生々しくて、アグレッシヴだった。
バンド全体の演奏力とか表現力がぐっと底上げされている中で、
いちばん目を惹いたのはやはり大胡田だった。歌に言葉の重みがしっかりと宿って、
かつ客席のいちばん後ろまで届く強さが、彼女の声にはいつの間にか生まれていた。

こりゃ面白いことになりそうだ、と思っていたら届いた2013年第一弾リリース。
2011年の1stアルバム『わたし開花したわ』の時点ですでに完成していた基礎的なスタイルを、
ポップに磨き上げて歌謡曲の強度にまで高めてみせたのが
昨年リリースされた2ndアルバム『ONOMIMONO』だったとするなら、
そこにさらに「バンド」としての肉体性とロックとしてのエモーションを加え、ぐっと体温を増したのが、
彼らにとって初となるこのシングル『フィーバー』だ。イントロからして勢いとパンチ力が違う。
そして、そのサウンドの強さに、ヴォーカルが負けていない。歌の表現もかなり豊かになっている。
全体としては間違いなくパスピエなんだけど、ちょっと踏み込むと、
ほとんど別のバンドみたいなメカニズムの激変が起きている。

成田ハネダはもともとクラシックを学んでいた人で、その知識や理論をどうポップスに落とし込むか、
みたいなところがそもそものこのバンドの立脚点だったはずなのだが、
今のパスピエの土台にあるのはそういったコンセプトや命題ではなくて、
ライヴハウスで鳴っている音とそこで巻き起こるグルーヴである。
『フィーバー』を聴いて脳裏に浮かぶのは、大胡田の描く少女のイラストではなくて、
目の前のステージで演奏をしている5人組のバンドの姿だ。

長々と書いてしまったが、2月28日発売のJAPAN、
NEW COMERのページでも取り上げますので、続きはそこで書きたいと思います。
とりあえず、今年はこのバンドから目を離さないように。(小川)
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