うみのて『IN RAINBOW TOKYO』の闇にハマる!

うみのて『IN RAINBOW TOKYO』の闇にハマる!

先週発売された、うみのてのファーストアルバム『IN RAINBOW TOKYO』。

これがいいです。
今日の東京の春らしくてさわやかな気候と正反対のイメージ(笑)。 
なんだかわからん闇が広がっていて、聴いている今もその闇に吸い込まれそうです。
でもそれが心地いい。

作品の雰囲気は、NUMBER GIRLのアルバム、特に『SAPPUKEI』と通じるものがあるなあと。
『SAPPUKEI』はバンドが青春期を経て、より鋭利で不条理な言葉とサウンドで世界をえぐり始めた作品だと思うが、
うみのての楽曲はもっとまったりしているけれど、根底に流れるそういう殺伐さ、リアリティが似ている。

《「笑っていいとも!」やってる限り平和だと思ってた》(“もはや平和ではない”)に代表されるように、
笹口騒音(Vo・G)が手がける、平熱と見せかけて狂気を感じるドライな歌詞も、向井秀徳の世界に近い。

発売中のJAPAN4月号では、そんなうみのての中心人物・笹口騒音のインタヴューを掲載しています。
インタヴュアーは高橋美穂さん。写真はその時撮影したもの。

笹口騒音は太平洋不知火楽団(現在活動休止中)のメンバーであり、
笹口騒音ハーモニカとしてソロ活動も行っているのでご存知の方も多いと思いますが、この男がなんとも曲者。

「歌詞に自分の意見はないのかもしれない」とか「音楽にそこまで力があるのかな?って思う」というような意外な発言をするし、
一方で「大きい会場でやりたい」みたいな野心が覗く発言もする。
フワフワしていて、ちょっと何考えてるのか掴みにくいというか。

ライヴの演奏も鋭くていいけど、笹口の熱くて冷たい不思議なMCがバンドの世界観を決定づけていた。

ヒリヒリした感情に共鳴したい。リアリティを感じたい。
ロックにそれを求める人には、ぜひ聴いてほしいバンドです。(小新井)
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