[Champagne]の進化、その一里塚としてのライヴ


きょうは[Champagne]Premium V.I.P Partyへ。
最新作『Me No Do Karate.』のリリースを記念しての、川上いわく「別名”ファン感謝祭”」。
それはもう凄まじい盛り上がりだった。

デビュー当時から最新作まで、満遍なくバランスよく並べられたセットリスト。
歴史を辿る一連のストーリーに貫かれた楽曲を年代順に聴いて、あらためてこのバンドがいかに濃縮された期間を過ごし、加速度的に成長してきたか、よくわかった。
とはいえ、初期と今を比べて楽曲の構造がドラスティックに変わっているわけではない。
かつても今も、キレまくりのリフとフックとキメとスピードでリスナーの快楽中枢を的確に撃ち抜く、マシンガンのようなロックンロールだ。
だが、近年の楽曲、特に最新作の楽曲には、情報量とスピード感を超えた大事な要素が埋め込まれている。
それはひと言で言ってしまえばメロディとグルーヴの可能性なのだが、それが単なる洗練ではない、それこそまるで違うバンドになろうとしているかのような実験性を持っているのが肝だ。
なんというか、圧倒的な身体能力で無双状態だったスプリンターが、さらなる快楽を求めて覇権を握る距離を伸ばしていくような。
距離が変われば競技が変わる。違うスキルと才能が必要になる。
[Champagne]はそれをやろうとしている。
そこでの最大のキーマンは、磯部とサトヤスのリズム隊ふたりだと思う。
うまくいえなくて申し訳ないが、最新作『Me No Do Karate.』に刻まれている実験性の一端が見えたような、そんなライヴだった。

ここから夏フェスを行脚し、いよいよロングスパンのツアーに突入する[Champagne]。
彼らの進化を観続けていくのは、いちロックファンにとって本当に大きな喜びだ。(小柳)
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