違法ダウンロード法案いよいよ可決?


★あのリリー・アレンのmyspaceにおける問題提起がきっかけになり、

FAC(ミュージシャンの利害関係を代表する団体)や各メディア、
UK中を大論争に巻き込んだ(9/17、9/28のブログも参照)、

「音楽リスナーの違法ダウンロード/共有ファイルをこのまま野放しにしておくべきか?否か?」問題。

ここ数年の「違法ダウンロード」の蔓延で、
本来なら作品を作ったアーティストや制作費を出したレーベル側に入るべき印税が入らなくなり、
今、UKの音楽業界はロック/ポップ史始まって以来の大危機に直面している。

ほとんどのレーベルがメジャー/インディを問わず経営不振になり、
倒産や合併・縮小が相次ぎ、
どのレーベルも「確実に売れそうなもの」にしか出資しない。

皆さんもお気付きだと思いますが、
ここ数年のUK市場/チャートを賑わすのは大物アクトのリイシューものやベスト盤、TVのタレント・スカウト番組出身アクトの作品群etc。
という調子で、シーン全体が「超保守化」の一途を辿っている。

最も痛いのが、過去数年、各レーベルと「新人」との契約が激減した点。

業界自体が不況で喘いでいる時に「売れるかどうか分らない」リスクを常に伴う新人に金を出したくない気持ちはわかるが、
UKシーンの将来を担うべき「新世代」がメジャー浮上するチャンスまで奪われてしまう、というのは何とも無念でならない、、、。

UKシーンの未来はいったいどうなるのか?

誰かが何とかしないとマジでやばい!
状態なのです、今。


★で、ついに英政府もこの問題解決に本格的に乗り出したわけですが、

その「鍵」を握っているのが、
この人=現英筆頭国務大臣/ビジネス・イノヴェーション・技能大臣、ピーター・マンデルソン(56歳)。

かねてから各所で激論が戦わされていた、

「違法DL常習者にはプロバイダー側が2回警告メッセージを送り、
それでもやめない常習者は3回目でプロバイダー側がネット接続自体を切る」対策。

これが「来年4月以降の1年間において国内の違法DLが70%低下しない場合は、2011年7月から法案で可決&実施される見込み大」、

との声明を、ついに先日マンデルソン自身が発表した。


それにしても、2011年7月から実施って、、、。

既に英音楽業界はそんな悠長なことを言ってられないほど切羽詰ってるんですけど。


★Rockin'on次号(11月1日発売)のコレポン通信でも、
この「英音楽業界の将来を左右する大課題」について書いてます。
UKロック派なら、ぜひご一読を~。
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