年末のツェッペリン


今日の欧米はクリスマス祭日♪

★そして弊社の「仕事おさめ」でもある本日12/25、

単行本=『Rockin'on Books Vol. 2: Led Zeppelin』も絶賛発売されます!

ツェッペリンといえば、確か筆者が生まれて初めて「本格的なロック」に触れたのも『レッド・ツェッペリン II』だった。

むかし、むかし「渋谷陽一」という著名な音楽評論家のライナー・ノーツが付いているアナログ盤を、地元別府のレコード屋にずっと前から予約を入れておいてやっと購入し、聴いたわけですが。
思えば、あれが筆者にとって「ロック・フリークへの道」に踏み込む最初のきっかけになった。

あれから数十年後、まさか自分がその著名な評論家の経営する会社で働くようになるとは、、、。
運命って、つくづく不思議ですね。

その不思議な縁でRockin'onに入社した後も、
ツェッペリンのお2人=ジミー・ペイジ&ロバート・プラントに取材させていただくチャンスは何度かあったわけですが、

★今も一番記憶に残っているエピソードといえば、
やはり94年のペイジ&プラント作『No Quarter』リリース直前の取材。

確かこの時は、世界中のジャーナリスト達をパリの某高級ホテルに集めて行う、いわゆる「国際プレス・デイ」の一環で、
ロンドン在住の筆者も日本の渋谷社長から託された質問表をにぎりしめ、緊張しまくってパリへ出張。

ペイジ氏には、その前年93年の『カヴァーデイル&ペイジ』時の取材で初対面済み&非常に優しい小父様だったので安心だったんだけど、
プラント氏との対面取材は勿論これが初めて。

どんな人なんだろう?
バイオ本とかで読むと、想像を絶するご乱行の限りを尽くしてきた凄いお方みたいだけど、、、。
質問にちゃんと答えてくれるのかしら?
取材時間が迫れば迫るほど、さらにアガりまくる筆者。

で、予定より数時間遅れて、ついにRockin'onの取材に突入!
という段になったわけですが、
質問が進むにつれ最初はきゃぴきゃぴモードだったロバート・プラント氏のご機嫌がどんどん悪化していくんですね、これが。

会話を進めつつお2人の様子を観察してみると、どうやらプラント氏は「ツェッペリン関連の質問」がお気に召さない模様。

反対に、ペイジ氏はツェッペリン関連の質問になるたびにニコニコ顔&上機嫌になる。

特に「いかにツェッペリンが偉大だったか」という話になるたびに、
スネた子供のような顔になってむすっと不貞腐れるプラント氏と、
それを横目で見ながらニヤニヤ嬉しそうに喋りまくり、プラント氏に痛烈な一撃を入れるペイジ氏のやりとり。

「伝説的なロック・レジェンド2人」というより、
「普通の大人げない小父さん2人の身も蓋もない突っ込み合い」を見ているようで、もの凄くシュールだった。

で、Rockin'onの取材が終わった頃には、プラント氏は完全に取材を続ける気を無くしていて、
本誌の後にブッキングされていた他誌の取材は急遽全てキャンセル!

おろおろするプレス担当者や他国のジャーナリスト達を残し、
お2人は夜のパリの街へディナーに出かけてしまった。
Rockin'onのせいで、すいません、、、。

多分プラント氏としては、
「くそっ!飲まずにこんなことやってられるか」ってことでシャンペンでもあおりに行ったのかもしれませんが。

にしても、まさかプラント氏にこんな強烈な「ツェッペリン・コンプレックス」があったなんて、、、意外だったなぁ。

とまあ、そんなビター・スウィートな記憶もふと蘇ってきた、このツェッペリン本の出版。

今日から全国の書店で発売されますので、皆さんもぜひ!


PS、我々コレポンにとっては、これが今年最後のブログになります。
年明けのブログ開始は1月5日から。

この1年間、読んでいただいた方々ありがとうございました!!!

良いクリスマスと新年をお迎えください♪
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