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    見田村千晴、新山詩織、住岡梨奈、山崎あおい、ギター女子ライヴを観て思ったこ と

    見田村千晴、新山詩織、住岡梨奈、山崎あおい、ギター女子ライヴを観て思ったこ と

    たとえば、テイラー・スウィフトやカーリー・レイ・ジェプセンなどの女性シンガーソングライターを聴いていてすごく感じることがあります。
    それはとてもうまく自分を語るよなあということです。
    重くない。いや、言っていることの強さという意味では重いのかもしれませんが、でも共感の温度は重くない。
    すごくざっくり言ってしまうなら、私小説的であるというより、デイリーなブログであるという感じなんだよね。
    気持ちの表現に冗長なイントロがない。
    自己表現に物語を持ち込まない。
    わたしはこう思っている、という結論だけがびしっと歌われる。
    だから、軽快で聴きやすいリズムが歌に合う。総じて楽しい。
    言葉の断片とそれに紐付いたシンガーのキャラクターががーっと広がっていく。
    いまそういう女性シンガーソングライターの振る舞いを見ていて感じるあのすかっとする感じ、あの感じの裏側にはこんな感じの背景があるんじゃないか。

    今日は見田村千晴、新山詩織、住岡梨奈、それから山崎あおいを見た。
    それぞれ、とても上手に、とても清々しく気持ち良く自分を表現していてすごく楽しかった。
    自分の「物語」の共有ではなく、いま何を思うの結論と瞬間を共有している。
    押し付けがましくない、とても爽やかなコミュニケーション回路を、僕はとても健全だなあと感じる。
    好き、嫌いの二元論で論じる恋愛描写とはまた別の人間語りをしている印象があって、すかっとしたとても自立したしなやかさを感じる。
    それが若いまっすぐなパワーで歌われる。
    それは胸がすくような感じがあるよね、という話なんじゃないか。

    その爽快さと、ピアノ女子ではなくギター女子であるということは無関係ではない。
    そんなことを思った六本木の夜でした。
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