弾き語りデイこそ、賑やかに。
ひとりきりだからこそ、楽しげに。
それを星野源らしい、というなら、この上なく星野源なライヴだった。
星野源はなんてわかっているんだろう。
3時間に及ぶライヴの間、ずっとそう思っていた。
それは、僕たちの気持ちやファンとしてのニーズをわかっている、ということでもあるが少し違う。
星野は星野のことをよくわかっているんだなあ、ということだ。
もっとはっきり言うなら、星野源は星野源のことをわかっているから、結果みんなのこともわかることができるんだなあ、ということだ。
このあたりはもうどれだけでも書けそうなテーマなのだが、ざっくり言うと、みんなひとりである、ということだ。
そして、星野源は星野自身の体験において、人生においてそのことをよく知っているんだなあ、ということだ。
星野の歌を聴いていると「ひとり」という言葉ばかりが耳に入ってくる感覚に陥ることがある。
よくある。
そういう人も多いんじゃないか。
それは偶然じゃない。
星野源は「ひとり」であることを歌っている。
誰より目をそらさず、そのことをまっすぐに歌っている。
だからこそ、星野の歌は僕たちのことを「わかって」いる歌として届いてくるのだ。
そして、だからこそ、星野の歌はこんなに優しいのである。
弾き語りデイこそ、賑やかに。
ひとりきりだからこそ、楽しげに。
星野源と一万人以上の「ひとり」による特別な夜は本当に楽しく、どこまでも賑やかだった。