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    ヒトリエ、新木場でのツアーファイナルを観て思ったこと

    ヒトリエ、新木場でのツアーファイナルを観て思ったこと
    ヒトリエのメロディというのはある種の発明なのだと思う。

    変な例えをすると、独自に進化してきた鍾乳洞がある日突然誰かに発見される。
    そうすると、それまでなかったものがある日突然世の中に「存在」し始める。
    その鍾乳洞は徐々に認知され、広まり、やがて世界に当たり前にあるものとして定着する。

    そういうものは鍾乳洞に限らず結構ある。
    シノダがインスタに上げまくっているウニなどもそうかも(違うか)。

    ヒトリエの、極めて記名性の高い、そしてヒトリエにしかないこのメロディもそういうものなのだと僕は思う。
    そのメロディの発見者はもちろん、wowakaという音楽探求者だ。

    だから、彼らに出会った時、このメロディの旨味と気持ちよさが、
    「新しいもの」としてでなく、
    「当たり前に素晴らしいもの」、として伝わるには時間がかかるかもしれないと思った。

    だが、今日のライヴ、というか、今回のツアーを経て、ヒトリエの発見したメロディ(とギターリフもそうだな)は、いよいよ誰しもが愛すべきもの、としての存在感を纏ったのではないか。
    ライヴがえらく盛り上がって行くその盛り上がり方がとても健全でヘルシーで、
    何よりオープンだと感じた。
    「解釈」の要らない、フィジカルなクライマックス。
    本当に素晴らしい!
    wowakaが欲しかったものはきっとこれだ。

    と同時に、この先にさらに巨大に広がる、誰もまだ手をつけていない開放感がある。
    その予感が僕にはものすごくしている。

    そういう手応えを感じさせてくれるライヴだった。
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