宇宙まおのツアーファイナルを観て思うこと、そして本物のポップソングについて

宇宙まおのツアーファイナルを観て思うこと、そして本物のポップソングについて
とてもいいライブだった。

宇宙まおの作るポップソングは本物のポップソングだ。
存在感含めてポップだよね、とか、表情もかわいいしやっぱりポップだよね、カラフルな世界観がポップだよね、とかいろいろ言い方はあるが、宇宙まおの場合、「これが本物のポップソングなんだよ」という言葉だけで説明ができる。
その意味での最高傑作『ベッド・シッティング・ルーム』を引っさげてのツアーのファイナルだった昨日は、ひたすら「本物」の濃厚な旨味だけを堪能するすごい時間だった。

「ベッド・シッティング・ルーム」=「一人暮らしのワンルーム」という具体的なモチーフに沿って、全20曲のポップソングが、時に弾けるように、時に自分を見つめるように、じっくりと歌われていった。
そのすべてが、28歳になったばかりの宇宙まおの、「裸の」としか言いようのない感情を揺れやブレをリアルに伝えるものだった。
とても誠実な歌で、圧倒的なポップソングに対して、ただひとりの生活者である宇宙まおとして向き合い、挑んでいくような、とても切実な歌でもあるなと思った。

本物のポップソングと、裸の切実な歌。
このすごさがわかることは、ポップの本質をわかることであり、そうすると音楽を聴く楽しさがまた変わっていくはずだ。

僕にとって宇宙まおはそんなポップ的スタンダード地点でいてくれる貴重なアーティストだが、昨日もやはりたくさんのことを教えてくれた。

いい夜だった。
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