LiSAはさいたまスーパーアリーナで何を伝えようとしていたのか

LiSAはさいたまスーパーアリーナで何を伝えようとしていたのか
LiSAがひとつ、大きなブレイクスルーを果たした素晴らしいライブだった。
本当に凄かった。

アスリート的で、必死で決死のパフォーマンスはLiSAのもっともLiSAらしいものだ。
その肉体表現の鋭さ、カッコよさは無二のもので、僕はよく言うのだが、ロックヒロインたる説得力はまさにそんな向こう見ずなまでの爆発力にこそあった。

あったのだが、そして、それだけでLiSAはLiSAとして確かな足跡を重ねていけるはずなのだが、最新アルバム、あるいは最新アルバムに繋がる最近の彼女の歌詞や歌を聴いていると、「見ればわかる」パフォーマンス以上に、「すべてを聞いて欲しい」という願いを伝えようとしているように聴こえる。

そのスタンスは今日のライブにも如実に出ていた。
MCや歌詞、自身の過去を語る映像演出に至るまで、とても具体的で、LiSAそのものの輪郭をなぞっていくようなものだった。

だから、ライブを見ていくにつれ、僕たちはLiSAのことをこれまで以上に明確に、ビビッドに、とても愛情深く「分かって」いった。

違うだろうか。

僕は、今日のライブは、LiSA
による、あらためての等身大宣言であるような気がして、そして、あらためて自分を自分として愛して続けて欲しいという願いであるような気がして、胸に迫るものをずっと感じていた。

ひとりのシンガーが今、アニソンからJ-POP、ロックまで全ての真ん中で戦おうとすることとは、つまり孤独で、それに挑むこと自体がとてもエモーショナルで、とても決断的な行為なのだなと思う。
LiSAの全力疾走が泣けるのはそういうことだろう。
新たな戦い方、伝え方をLiSAはやり、見事に新たな感動を与えてくれたライブだった。

誕生日おめでとう!

最高のバースデイライブだった。
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