この本には、1987年にとられた、清志郎の2万字インタビューが掲載されている。
少年時代から、苦闘とブレイクのRC時代、そしてファースト・ソロまでの、
半生だ。
その中に、高校時代、生涯で一番最初に作った曲のエピソードがある。
何気ない感じに。
清志郎がその曲「雨がやんで」の説明をさらりとしている。
「あんまり憶えてないんだけど、『雨がやんで、大きな虹が出た』とかね・・・」
清志郎を聴いてきた者にとって、「雨」がどんな意味を持つかは、
いまさら言うまでもないだろう。
そして、
清志郎の訃報があったとき、「虹」がどこに、どんなふうにかかったかについて、
憶えているひとは多いに違いない。
本が出来上がってきて、編集部から配られてきて、
このインタビューを久方ぶりに読み直して、
そのエピソードに当たったとき、
「こういうことがあるのか」と
思わずそう口に出していた。
もちろん、それは単なる偶然にすぎないのだけど。