ビヨンセが照らすもの

ビヨンセが照らすもの

それはビリー・ホリディの昔からそうだった。
アレサもそうだった。ティナもそうだった。
これまでのブラック・フィーメイル・シンガーはいずれも、
「陰」を負った歌い手だった。
それは、ジャネットだってそうなのだ。ビヨンセ・ノウルズが特別なのは、彼女が徹底的に「陽」なことである。
幸運をつかみ、成功を手にし、さらに上書きしながら待ち受ける未来を満面の笑みで見上げる。
彼女を「ブラック」とカテゴライズすることには厳密性を欠くのかもしれないが、
それは、いわゆる「ブラック・ピープルの今」をシンボライズするという点で、
時代的でもあるのだ。
実際、今日のライブでも、「オバマ」が登場する瞬間はひとつのハイライトだった
(だから、逆にいえば、『ドリーム・ガールズ』の主役は決してビヨンセではなく、歴史的な文脈からいって(?)ジェニファー・ハドソンとなるのだ)。彼女の「声」が、ブラック特有の「破格な質量」の系譜に則っているのにもかかわらず、それ以上にパワフルなのは、そういうことでもある。それにしても、明るいな、ビヨンセ。
この眩しさがほんとうにいとおしかった。
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