A・マックイーンを偲ぶ

A・マックイーンを偲ぶ

アレキサンダー・マックイーンの名前は、その登場時からわりとすぐに、音楽シーンでも話題になったかと思う。その斬新で圧倒的なスタイルがランウェイのみならず、あらゆるフィールドのクリエイターに刺激を与えたからだ。この1997年のビョークのアルバム『ホモジェニック』のジャケット・ワークを手がけたのは、彼がロンドン・コレクションにデビューした翌年のことだった。
ファッションにはまったく詳しくない僕が、コレクションの映像を観るのは、彼が毎回展開する思いもしないアイデアとそのロジック、そしてそれをいつも超えていく美の凄まじさにあった。彼は、モデルたちにそのシーズンのプレゼンをさせるためにランウェイをいったりきたりさせるのではなく、それ以外の見せ方で、ファッションという時代精神はいま何をつかまえたかを彼の言葉で語っていた。巨大な才能だった。
公式SNSアカウントをフォローする
フォローする