偉大なるカルト・ヒーロー1位の新作

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NMEが選ぶ、もっとも偉大なるカルト・ヒーロー(3月21日のこのブログをご覧ください)で、錚々たる御仁たちをおさえ堂々1位に君臨したマンチェスターの怪人、それがMark E.Smithである。もう30年にもなるThe Fallのバンド・キャリアは、Sonic YouthやPavementといったアメリカン・オルタナティヴに多大な影響を与え、もちろん、本国イギリスにおいては、北部の不屈の魂として変わらぬにぶい光を放ってきた。

というような説明よりなにより、この顔ですよ顔。これは実際に現存している、生身の人間の顔ですよそこのお嬢さん。ジョージ秋山がさらさらっと描いた路上の人じゃないですよ。この顔で、あの一度聞いたらすぐさまお家に帰って鍵を閉めてふとんをかぶってひとしきりブルブルと震えてみないことにはおさまらないシャガレ声で歌うわけです。というか、がなるのである。

独特の味のあるシャガレ声でがなる中年、というと、Tom Waitsのことが思い浮かぶかもしれない。Tom Waitsもなかなかにいい顔をしている。けれど、Mark E.Smithはまちがっても渋味を利かせたお洒落ではないし、哀愁を帯びてもいなし、唐沢利明が主演する連ドラの主題歌にもならないのである。なぜなら、Mark E.Smithは、ひたすらにがなっているだけだからである。怒っているからである。罵っているからである。クサしているからである。世の中を。

そんな彼の新作『Your Future Our Clutter』が、もちろん素晴らしいのは言うまでもありません。
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