イギー、猪木、そしてアクセル・ローズ


ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズが、ペルーでの公演でまたひと悶着。この日、ペルーはリマでのライブを行ったガンズは、まず、アクセルの盟友であるセバスチャン・バックによるオープニング・アクトが23時に終了。それからガンズが始まるまでに1時間以上観客は待たされる。つまり「翌日」から始まったライブ、だったのだけど、演奏中に突然、アクセルが歌うのを止め、通訳を呼びつける。そして、アクセルは観客に向かってこう言った。

アクセル「オマエら、ステージに×××を投げんじゃねえ!」
通訳、よくわからなかったのか、もう一回聞きなおす。そしてペルー語でしゃべる。
アクセル「んなことやるんだったら、オレたちはステージを降りる」
通訳がペルー語でしゃべると、観客から「おー」のどよめき。
アクセル「オレたちはもっとオマエたちと楽しみたいんだ、わかるな?」
通訳、しゃべる。観客「おー!」

このやりとり、いちいちアクセルが通訳に「はい、訳して」とロケに不慣れな若手芸人レベルでマイクをフるのがなんとも可愛らしい。そして、このやりとりの間中、ずっとアクセルにレーザーのライトがちらちら当てられてる(サッカーのPKとかのときに、キッカーへの嫌がらせでよく敵チーム・サポーターがやる、あれです)のが悲しい。

その一部始終の映像が、現地テレビ局のニュースで取り上げられているのでこちらから。
http://www.nme.com/news/guns-n-roses/50407
キャスターの男女ふたりの「なんとも困ったもんですね」な表情は、ロックがお堅いメディアで取り上げられるときの世界共通トーンなのだと再確認。

さて、イギー・ポップはステージにあがってくる観客に右往左往した。アントニオ猪木はステージにあがってこようとする観客に「殺すぞ!オラ」とストンピングをかましていた(兵庫ブログ 3月24日「イギー・ポップとアントニオ猪木」の回をお楽しみください)。アクセルはそんなことはしない。しないけど、観客ととても独特なかたちでのコミュニケーションを欠かさない(ずーーーーーと待たせたりするのも含めて)パフォーマーの系譜だと思いました。

あ、そうそう忘れそうになった。ただいまアクセル、マネージャーから絶賛訴えられ中。アジア・ツアーなどで稼いだ金から、ギャラをもらってないのだと。