ペイヴメントのライブを観るみなさんへ

ペイヴメントのライブを観るみなさんへ

スティーヴ・マルクマスの動向も気になるところだが、いよいよあと数時間でペイヴメントのライブ!という段になって、ハタ!と気がついた。
普通、このような「再結成ライブ」というと、懐かしのナンバーがのっけからガンガン演奏されて、オーディエンスも端から盛り上がる気マンマンだからもう何でもOKでがんがんテンション上げてって、というのが予想される。幸福でちょっとセンチで、でもやっぱり嬉しいし楽しい!みたいな空気がはじめから出来上がっているというか。
ところが、ペイヴメントでそのようなことは起こるのだろうか? と気になってきた。何度も書いているように、彼らには誰もが知ってるヒット・ソングもなければ、誰もが口づさんだ鉄板ナンバーもないのだ。
もちろん、今夜新木場スタジオコーストに集まる観客は、ペイヴメントの熱心なリスナーであることには間違いない。でもですね、バンドが現役のとき、こーんな大きなハコで、しかも2日間も公演をやるなんてことはただの一度もなかったわけです。ということは、コアな観客と、聴いてはいたけどはじめてバンドを観る客、最近知った客、といったような、いろんなオーディエンスの集まりになっていると予想されるわけです。
しかも、90年代に日本での彼らのライブを観てきた客のひとりとして、たとえば最近のバンドのライブに集まる健全な観客のように、バンド側から発せられるエネルギーを陽性のレスポンスでステージにばんばん投げ返すみたいな、コブシはきっちり突き上げて、シンガロングは乱れずに、ストレートな感情表現に臆することのない観客がかつてペイヴメントを観に来ていたかというと・・・そんなことはなかったのだ。わりとじとーと、ステージで行われる演奏を凝視、ガン観、みたいな空気だったような記憶が猛烈にある(自分もそのひとり)。

初めてご覧になる人も多いと思うので、あえておせっかいで申しあげておきますと、そういう現役ファンのそういう態度も、・・・・しっかり盛り上がっておりますので。ぐんぐんアドレナリンが出ておりますので。くれぐれも、「あれー、盛り上がってねえの?これ?」とか思わない。そこの青年。

そもそもね(長いねこのブログ)。ペイヴメントのライブは、すーっと始まるもんなんです。最初から「おらーおめえら、いくどー!」なんてことは言わない。特に今日ギリギリで来日したスティーヴはなおのこと言わない。で、数曲、もしかしたらだらーってやります。おや?って思うかもしれません。でも、じっと待っててください。

いきなり、聴いたことないなんだこれはおうおうすげえぜこの音のかたまりというかグルーヴわーこれどこにいくんだマジすげえ!みたいな瞬間に襲われて、気が付いたら、ライブが終わっています。これ、日本でも海外でも、どこで観たペイヴメントでも起きたことです。

今夜も起こったら、凄いと思います。
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