先週末と今週末、集中連載しています、モリッシー・インタビュー。今日は第4問です。モリッシーはモリッシーでいることを苦しく思っていないのか、あるいはその幸せとは? ファンもまた、ふと思うことのある質問(「モリッシー」の部分を「モリッシー・ファン」に変えてみましょう)を訊いてみました。
●あなたとあなたの歌と、それを聴くファンの関係は、他のアーティスのそれとは別物の、強固な絆と熱狂的な信頼が築き上げられています。そんなあなたの聴き手たちというのは、あなたの歌に、生きていくことの苦しさやどうしようもなさ、もっと言ってしまえば、自分が自分であることの苦悩をそこにみているのだと思います。そこで訊きたいのですが、モリッシーは、モリッシーであることの苦悩を、どういうものとして感じているのでしょうか。それとは反対に、モリッシーがモリッシーであることの幸福とは、何ですか。
「ぼくは今まで作ってきた音楽のおかげで満足できているんだ。それ以外には満足している理由なんてないよ。ほかのソングライターだったら、『まず家族が大事で、妻がいて、子供たちがいて、山羊がいて、クィーンズ・パーク・レンジャーズFCがいて……それと音楽かな』というようなことを言うものなんだけど、ぼくはそんな態度を取ったことは一度もないんだ。ぼくと音楽の間に人間はいない。ぼくがこれまで関わった関係というのは自分の音楽とのものでしかないし、妻や夫などといったものはそうした献身を間違いなく台無しにしてしまうようなものなんだ。ぼくはいつだって人をよく知れば知るほど失望すると学んできたから、今でもあえて自分の庭の外からは出ないようにしているんだ。それで充分快適にやっていけるしね。自分のことをフリークスだなんて感じることはまずもってないし。むしろ、不幸せな状態でつがいを続けている人たちこそぼくにはフリークスとしか思えないよ!」
「僕と音楽の間に人間はいない」。そんなきっぱりとしたモリッシーの来日公演の詳細はこちらから。
http://www.creativeman.co.jp/artist/2012/04morrissey/
明日はRO69でのモリッシー・インタビュー最終回をお届けします。