ブラーがキャリア初のマディソン・スクエア・ガーデンでライヴ!前座は来日目前のコートニー・バーネット

ブラーがキャリア初のマディソン・スクエア・ガーデンでライヴ!前座は来日目前のコートニー・バーネット
pics by SACHYN MITAL http://www.sachynmital.com/

「ここまで来るのに25年かかったよ!」とデーモン・アルバーンもステージで語っていたけど、ブラーがなんとキャリア初!10月23日にNYのマディソン・スクエア・ガーデンでライヴをした。
ブラーがキャリア初のマディソン・スクエア・ガーデンでライヴ!前座は来日目前のコートニー・バーネット
オアシスは先にマディソン・スクエア・ガーデンでライヴをしているが、それでも2005年が初で、その後は2008年の計2回だけ。ブラーも、オアシスも、世界でアメリカだけ大ブレイクしていなかったのだ。

彼らが、90年代始めにアメリカにツアーに来た時は、パール・ジャムやニルヴァーナが一世を風靡していた。グレアム・コクソンは当時を振り返って、「めちゃくちゃびびって、しっぽを丸めて帰ったよ」と語っている。
http://www.nytimes.com/2015/10/23/arts/music/blur-hitting-madison-square-garden-at-last.html?_r=0

ただ、私も見ているけど、デーモンはすでにマディソン・スクエア・ガーデンに立っていた。ゴリラズはアメリカで大ヒットしたため、2010年にマディソン・スクエア・ガーデンでライヴをしていたのだ。ルー・リードが登場したのが印象的だった。

この日、デーモンもそのことについて、
「僕は幸運なことに、前回ここに来た時は、ルー・リードと共演することができたんだ。“ブー”というまるでブーイングのような歓声が上がったんだけど、実は“ルーーーー”という大歓声だったんだよね。それが素晴らしかったことが忘れられない」と語った。

デーモンはNYタイムズ紙に、
「初めてマディソン・スクエア・ガーデンに立った時、あまりに感動的だったから、これはバンド・メンバーとも絶対に分かち合いたいと思ったんだ」とも語っていた。

だから、「今夜は、僕らにとっては、みんなにありがとう!と言うためのコンサートなんだ」と言っていた。実際デーモンは、この日ステージ上で、何度も何度も、家族から、スタッフから、ひとりひとりに「ありがとう!」を連発していた。バンドでこのステージに立つのは、これが最初で最後とでも思っているんじゃないか、というくらいに。

しかし、今回この場所でライヴしようと彼らが思ったのは、もちろん最新作『ザ・マジック・ウィップ』が、アメリカも含め世界的に高い評価を得たという自信があったからだと思う。そうでなかったら、勢いのいい新人バンドでもないのに、いきなりキャリア最大の会場で今ライヴを行ったりしないだろう。

ローリング・ストーン誌も、この日のライヴを「ノスタルジックではなくて、ウィニングランのようだった」と書いていたけど、正に。
http://www.rollingstone.com/music/news/blur-stage-victory-lap-at-hits-filled-madison-square-garden-show-20151024

だから前半は、“Go Out”、“Lonesome Street”、“Ghost Ship”など新譜からの曲をどんどん演奏。後半、“Beetlebum”からの盛り上がりも佳境に向かい、“Tender”では、デーモンが「携帯を……」と言った瞬間に会場が携帯の光でキラキラとなった。“Parklife”では、ステージに会場からファンが招かれて登場したのだけど、デーモンがその場で「歌える?」と聞いた黒人の女の子が、あり得ないくらい上手くラップを披露して大喝采だった。さらに、NYではバスケ・チームのニックスも試合で使っていたくらいの“Song 2”などでさらに盛り上げり。面白かったのは、“Girls & Boys”で、なんとか会場を歌わせようとデーモンが必死になっていたのだけど、アメリカの観客があまり歌が上手くなかったこと(笑)。最後は、“The Universal”で感動的に締めくくられた。

前座に起用されたのは、コートニー・バーネット。今の彼女の勢いを象徴している。アメリカでは、人気が出るとスゴい勢いでライヴに出まくるからだ。彼女は、永遠にツアーをやっているように思える。という状況で日本に向かう!ぜひ見てください。
ブラーがキャリア初のマディソン・スクエア・ガーデンでライヴ!前座は来日目前のコートニー・バーネット
デーモンは、上のNYタイムズの記事の中で、ゴリラズについて語っていた。「陽気な曲を書くのはすごく難しい」「次のゴラリズのアルバムは、絶対に絶対にメランコリーなものにならないようにするつもりだ」とも答えている。「僕くらいのキャリアがあって年齢だと、シンプルで、速くて、アップビートなレコードを作るのは、想像も付かないくらい難しいことなんだ」と。メランコリーでもノスタルジックでもない彼の今のモードは、この日のライヴが証明していた。「ゴリラズの曲は速攻で書く予定」とも語っているので、またすぐにマディソン・スクエア・ガーデンに戻ってくるのかもしれない。

偶然だけど、興味深いのはブラーの翌日、2作目を出したばかりのディスクロージャーがマディソン・スクエア・ガーデンに立っていたこと。ブラーは、ここまで来るのに25年だが、ディスクロージャーの二人は、まだ25才にも達していない。

ブラーのセットリストこちら。
SETLIST: BLUR @ MADISON SQUARE GARDEN 10/23/2015
Go Out
There's No Other Way
Lonesome Street
Badhead
End of a Century
Ghost Ship
Coffee & TV
Out of Time
Country Sad Ballad Man
Beetlebum
Thought I Was a Spaceman
Trimm Trabb
Tender
Parklife
Song 2
To the End
This Is a Low
Encore
Stereotypes
Girls & Boys
For Tomorrow
The Universal

コートニー・バーネットのセットリスト。
Avant Gardener
Nobody Really Cares If You Don't Go to the Party
Small Poppies
Depreston
Elevator Operator
An Illustration of Loneliness (Sleepless in New York)
Dead Fox
Pedestrian at Best
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