ビヨンセの『レモネード』でTIDALの加盟者が120万人増加。ドレイクはApple Music独占で新記録。ストリーミング競争加熱

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ビヨンセが最新作『レモネード』を発表してから1週間でTIDALの加盟者が120万人増加したという。NYタイムス紙が報じている。
http://www.nytimes.com/2016/05/13/arts/music/beyonce-lemonade-TIDAL-streams.html?_r=0

ビヨンセは、TIDALで『レモネード』を1日だけ独占配信し、すぐにiTunesで買えるようにしたが、ストリーミングは現在でもTIDALでしかできない。

発売週はアメリカだけで1億1500万回ストリームされ、その時点でのストリーミングの新記録を樹立した。現在曲は3億600万回ストリームされたそうで、人気のある曲は1位から順に“Sorry”、“Hold Up”、“6 Inch”、“Don't Hurt Yourself”だったそう。

TIDALは、新サーヴィス開始から1年で加盟者が300万人に達したと発表したばかりなので、これで420万人の加盟者ということになる。

カニエ・ウェストが『ザ・ライフ・オブ・パブロ』をTIDALのみで1ヶ月間ストリーミングした時は加盟者が250万人増えたと言われているが、TIDALはサーヴィス開始から加盟者獲得に苦戦してきた。ライバルのSpotifyは現在3000万人の有料加盟者がいて、Apple Musicは1300万人だという。

各サーヴィスは、加盟者獲得のために、最近ストリーミングの独占化が激化しているように思う。

今年に入ってから、リアーナの『アンチ』が当初TIDAL独占だったし、カニエもそうだった。最近では、Drakeの新作『ヴューズ』は、Apple Musicで2週間独占配信された結果爆発的な数字を獲得した。その数、1週間でアメリカだけで2億4510万回ストリーミング。これでビヨンセとジャスティン・ビーバーを抜き、ストリーミングの新記録を樹立したという。アルバムの実売も合わせると合計で100万枚売れたという計算で、ドレイクは全米チャート1位を獲得している。

現在は、チャンス・ザ・ラッパーの新作『Coloring Book』がApple Musicのみでストリーミングされており、ドレイクと同様2週間独占だという。ただ、同時にリークしてしまったため、独占のはずだったApple Musicは打撃を受けているそう。

チャンスはこれまでにアルバムを発売したことがなく、すべて無料でダウンロード配信してきた。このアルバムをきっかけに変わるのかもしれない。また、グラミー賞はこれまでストリーミングのみ、または無料ダウンロードのみの作品は賞の対象外としてきたが、昨今のストリーミング事情に合わせて規定を改訂する検討をしているのだそう。その結果が6月に発表される。改訂されればこれまでノミネートされなかったチャンス・ザ・ラッパーは対象となる可能性が大だ。チャンスは、カニエ・ウェストの“Ultralight Beam”の中で、グラミー賞の規定について批判のラップをしている。

そういえば、レディオヘッドはTIDAL でもApple Musicでも配信されている。が、トム・ヨークが批判したSpotifyではシングルの“Burn the Witch”と、“Daydreaming”のみ配信で、アルバムは現時点ではストリーミングされていない。Spotifyは可能になったらすぐに配信すると発表しているが。

リスナーの立場から言わせてもらうと、時にApple Music、時にTIDALで独占ストリーミングされるのは正直うざくなってきた……。まあもちろんそれが作戦なわけだが。

話は飛ぶが、ストリーミングと言えば、ドレイクの新作は20曲もあって1時間21分、ジェイムス・ブレイクの『ザ・カラー・イン・エニシング』も17曲あって1時間16分。「アーティストのほうもすでにストリーミングすることのほうを考えていて、CDに入る時間は無視している」と、今日ラジオで言っていたけど、確かにそうだ。
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