ノルウェーの果てで行われた、カイゴの極上逃避パーティーをレポート

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音楽シーンもスーパー・ヒーロー映画も、この世の終わり=ディストピアで溢れている今日この頃。少し逃避が必要だ。

“ネクスト・アヴィーチー”とも言われ、“トロピカル・ハウス”を牽引するEDM界の新星カイゴのデビュー作『クラウド・ナイン』発売記念パーティに行って来た。場所は彼の出身地であるノルウェーの果て。ノルウェーのオスロからさらに飛行機を乗り継いで1時間くらいのオーレスンという場所だった。街並が絶景で一度は訪れたい所と言われているのだが、こんな地球の果てのような所、今回カイゴに招待されなかったら一生来ることもなかっただろうという、すごくスペシャルな場所でのスペシャルな体験となった。

世界中から招待されたのはジャーナリストだけでわずか100人。空港に着いた瞬間から『クラウド・ナイン』の案内所があり、バスにもホテルにも部屋にも、『クラウド・ナイン』のジャケットのアートワークが飾られているという徹底した歓迎ぶり。パーティが行われたのは、オーシャン・サウンド・レコーディングスという、正に海の真ん前にあるスタジオで、日が沈むのを見ながらライヴを観るという、この世のものとは思えない美しい体験となった。

そこでカイゴが披露したのは、なんとピアノによる演奏。ストリングスも引き連れて5曲が演奏され、全曲ヴォーカリストが参加するという贅沢ぶり。以下私が撮った下手な映像があるので参考までに見てみてください。

“Raging" ft Kodaline”
https://youtu.be/MdoOi-XkpyY

“Stay" ft Maty Noyes”
https://youtu.be/avaQuU7hyH8

“Firestone”
https://youtu.be/fcsz4fGInkc

どの演奏も鳥肌が立つような美しさであったのと同時に、エレクトリックではなくアコースティックで演奏したことで、彼の作品の本質、曲の美しさが明確に分かる内容だった。現在24歳だが、そこらへんを自分なりに考えての披露だったのではないかと思う。エレクトリックというよりは、優れたポップ・ソングということを強調したかったのかもしれない。

ちなみにこちらが“Raging”の公式MV

この日も「僕が注目されたきっかけ」と言っていた“Firestone”はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=9Sc-ir2UwGU

また、社会の喧騒から切り離したような地球の果てで、幸せな小さなパーティを行うというこのイヴェント全体の演出も、彼の音楽性を象徴していたように思う。EDMシーンに疲れた人のための癒し系EDMというか、EDMの新フェーズを見たような気がした。

“トロピカル・ハウス”という言葉は、カイゴがパイオニアのひとりとしてシーンを牽引しているので、まだ馴染みがない人が多いかもしれない。だが、例えばディプロがカイゴのことを「100%オリジナルだ」と絶賛し、彼がジャスティン・ビーバーの最新作『パーパス』に“トロピカル・ハウス”を取り入れたと聞けば、わかるかもしれない。リアーナの“ワーク”も一瞬その流行に乗ったのか?と言われたほど(実際は彼女の出身地であるカリビアン・サウンド)、現在最も注目のサウンドだ。

面白かったのは、パーティに来ていた人と話していたらそれが偶然カイゴのお父さんで、「妻が日本語がぺらぺらだから紹介するよ」と言われ、カイゴの義理のお母さんと話したこと。日本に1年間だけ住んでいたそうだが、日本語があり得ないくらい流暢で本当にびっくりした!

カイゴとも話したら、日本には10年前に3週間かけて家族と旅したらしく、「絶対日本にまた行きたい!」と言ってくれたので来日が楽しみだ。

アコースティック・ライヴが終わったら、場所を変えてのDJパーティとなったのだが、そこに登場したのはカイゴよりさらに若い23歳のマネージャー。DJがあまりに下手で、カイゴが助っ人という流れになっていた。

NYに戻ってこの日を振り返っても、まるで夢を見ていたかのようなあまりにスペシャルな体験。それこそが、彼が音楽で発信していきたいことなのだと思う。

アメリカでも発売されたばかりで、すでにヒット曲がたくさん詰まったと言える新作『クラウド・ナイン』についてはこちら。
http://ro69.jp/news/detail/143053
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