トム・ヨークが突然アメリカでソロ・ツアーを発表。レディオヘッドがものすごいカタルシスのあるアンセムを合唱するようなツアーを終えた後でなぜ今?と思ったのだが、『サスペリア』のサントラの後、ソロ作も完成しそうということが判明。なのでそれと関係しているのだろう。
11月26日にキングス・シアターで行われたNY初日を観てきたのだが、第一印象で言うと、これまでにないトム・ヨークになっていて驚いてしまった。また別次元へ進化していたのだ。恐るべし。
ナイジェル・ゴドリッチが、それまでの過程をいくつかインスタしている。
説明が上手くできないのだが、例えばこれまでのソロと同様に、エレクトロであり、ミニマルであり、親密感があり、踊ろうと思っても簡単に踊れない、ものではあったと思う。
Brooklyn Veganにこの日の映像がいくつかポストされている。
http://www.brooklynvegan.com/thom~
今回も形容すると同じ言葉が出てくるのだが、実際には、これまでのサウンドを一旦破壊して、それを再構築するにあたり全く別の視点から組み合わせた、というのが明らかに分かるものだった。だから、使われているサウンドとしては似た部分もある。強烈なベースがあるし、シンセサイザーもある。
だけど、お互いの関係性が違う。しかもボーカルがいやに独立していたり、いきなりこれまでになかった要素、アフリカンビートなどが入ってきたりする。しかしこれまでにあった疎外感とか、パラノイア的な感じが薄れていたように思う。
全体として、あまりに大胆で恐れを知らない挑戦に思えた。
ステージのセッティングも80年代風だし、映像も線などが強調されていたように思う。
『サスペリア』で自由なことをやったのが影響しているのだろうか?
何より、レディオヘッドでのカタルシスとは真逆の場所にきてしまったかのようなサウンドだし、肉感的だったサウンドともまた別の場所へ突き抜けてしまったような……。
間違いなく別次元で、次の段階に行ったようなサウンドなのだ。この日新曲が演奏されたが、つまりこれがソロの新作を表しているということだろうか。また、それが、レディオヘッドのサウンドにどう繋がっていくのか?
何か新しい扉が開いてしまったようなサウンドで、進化し続けることに感動してしまった。説明できているようで全くできていない。もう1日観るので、もう少し具体的に説明できるように頑張ります。
セットリスト
Interference
A Brain in a Bottle
Impossible Knots
Black Swan
I Am a Very Rude Person
Pink Section
Nose Grows Some
Cymbal Rush
The Clock
Two Feet Off the Ground
Amok (Atoms for Peace song)
Not the News
Truth Ray
Traffic
Twist
Encore:
The Axe
Atoms for Peace
Default (Atoms for Peace song)
Encore 2:
Suspirium